なぜカフェインを断つと夢が鮮やかになるのか?
カフェインを減らすと夢がリアルになる。
この体験を語る人は多いですが、実は直接的に証明した研究はあまりありません。
多くの研究は「カフェインが睡眠そのものにどう影響するか」を調べており、「夢の内容」までは追っていないのです。
しかし、いくつかのヒントはあります。
カフェインをやめると、眠りが深くなり、夜中に目を覚ます回数も減ります。
その結果、体は「反動」としてレム睡眠の時間を増やす可能性があります。
レム睡眠(REM睡眠)は、体が休んでいる一方で脳が活発に働いている睡眠の段階です。
私たちが夢を見るのはこのレム睡眠のときで、時間が増えれば夢を見られる機会も増えます。
さらに、レム睡眠から直接目覚めると、夢の記憶が鮮明に残りやすいことがわかっています。
つまり、カフェインを減らすこと自体が夢を「作り出す」わけではなく、睡眠の質が改善し、レム睡眠が増えることで「夢を見やすく、覚えやすくなる」可能性があるのです。
もちろん、睡眠や夢は非常に複雑で、すべての人に同じ効果が出るわけではありません。
ある人はカフェインをやめても特に変化を感じないかもしれませんし、鮮やかな夢が続くのは数日から数週間程度という報告もあります。

カフェインの摂取量と夢の鮮やかさの関係は、まだ科学的に完全に解明されているわけではありません。
ですが、カフェインが睡眠を乱すことは確かであり、睡眠の質が夢の鮮明さに直結していることも知られています。
もし「最近、夢がやけにリアルだな」と感じているなら、それはカフェインを控えたことで、脳がレム睡眠の時間を取り戻そうとしているサインかもしれません。
眠りを整えるちょっとした工夫が、意外な夢の世界をのぞかせてくれるのです。