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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

Tレックスの幼体とされていた化石、実は「新種のTレックス」だったと判明 (2/2)

2025.11.03 07:00:19 Monday

前ページ40年も続く論争、決着の時

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恐竜時代の生態系と進化の再構築

この発見は、Tレックスの成長史や生態だけでなく、白亜紀末の北米大陸に広がっていた生態系のイメージそのものを大きく塗り替えました。

ナノティラヌスは体重700キログラム程度と、Tレックス(成体で8000キログラム前後)と比べるとまさに“ミニチュア版”ですが、その特徴はまったく異なります。

素早く俊敏で、発達した前肢と鉤爪を持ち、素早く獲物を捕らえる戦略に特化していました。

一方、Tレックスは巨大な頭と強力な咬合力、バナナ型の歯を武器にしており、より重戦車型の捕食者です。

両者が同じ時代・同じ地域で共存していたということは、最後の恐竜時代の生態系が、より多様で競争的だったことを意味します。

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Nanotyrannus lancensisの模式標本/ Credit: ja.wikipedia

また、チームは200体以上のティラノサウルス科化石を比較し、「ジェーン」など他の小型骨格にも注目しました。

その結果、ジェーンはナノティラヌス・ランケンシスともTレックスとも異なる特徴を持ち、さらなる「新種(ナノティラヌス・レタエウス)」である可能性も示唆されています。

このように、Tレックスの幼体だとされていた化石群の多くが、実は別種の独立した肉食恐竜である可能性が高まりました。

これまでTレックスの成長や生態を理解する手がかりとして使われてきたナノティラヌスの化石データは、今後は“誤った前提”として再検証が求められることになります。

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Tレックスの幼体とされていた化石、実は「新種のTレックス」だったと判明 (2/2)のコメント

ド素人

あまりにもひどいタイトル…。
ナゾロジーは以前からティラノサウルス科やティラノサウルス類の恐竜に関する記事でもタイトルで「ティラノサウルス!」と嘘をつく癖がありこれだけでも大変ひどかったですが、今回はついに「Tレックス」と種小名にまで嘘の範囲を広げてきました。※なお、嘘であるばかりでなく、「レックス」は種の名前なので「Tレックスの新種」など日本語として成立していません。

テキストメディアのビジネスが今ますます苦しくなっているのは理解できます。どうしてもタイトルを盛らないとビジネスとして成立しないでしょう。それでも、こんな嘘は絶対ダメですよ。いち早くタイトルを修正していただくことを心より願います。

ゲスト

生物学の知識がない人が書いたのか?
新種のTレックスはあまりにもひどい表現

ゲスト

「新種のT.レックス」っておかしくない?と思ったらちゃんとコメント付いてて安心した。

非A

ティラノサウルスは成長過程で異なる生態的地位を占有しつつ大型化するため、北米白亜紀末には中型肉食恐竜が存在し得なかった…という仮説の論拠が脆くも崩れました。元々北米マーストリヒト期の恐竜化石は必ずしも豊富では無い(寧ろ貧弱とさえ言える)のに、ティラノサウルスとトリケラトプスの二大スターの揃い踏み(北米産の派手な恐竜なのでスター扱い)に加え所在国が“世界一の超大国”なため研究者・関係者・マニアの人口が圧倒的に多く、その所為か僅かな証拠を元に大胆な仮説を唱えて注目を集めようとしたり、マスコミ受けする我田引水な見解があたかも“定説”の如く拡散しては、より完全な化石証拠や研究で否定され消えて行く…という事が少なくありません。他の国でも同様の事態はあるでしょうが、何しろマスコミの支配力・発信力も世界一。恐竜研究紹介はティラノサウルスにばかり注目するとドツボに嵌まる可能性大。現世でも正に“暴君”なのがティラノサウルスという恐竜とさえ言えます。

非A

因みに、ティラノサウルスが産出する北米マーストリヒト期の化石が如何に乏しいかを示す例として、1個前のカンパニア期に比べてマーストリヒト期の恐竜の多様性が一気に減少した(ように見える)事から、恐竜は隕石衝突より遙か以前から徐々に衰退し既に絶滅に向かっていたという説が最近まで罷り通っていました。「アメリカの事例だけで決めるな!」と言いたくなりますが、北米に比べて他の国や地域では発掘も研究も進んでおらず、反論も侭ならない状態。ところが最近になって当の北米マーストリヒト期の地層から次々と新種の恐竜が発見され始め、恐竜は絶滅直前まで相当な多様性を保ち十分繁栄していた…と考え直されつつあります。上記の仮説は一体何だったのか…。恐竜等の古生物学の世界は「発見された化石」を元に研究を進めるのが基本で、「化石が見つかっていない」事を論拠とする仮説が如何に危険で脆弱かを示す例と言えます。今回のナノティラヌス論争も「ティラノサウルスの幼体が“見つかっていない”からコイツ(ナノティラヌス)がそうだろう」という同様の脆い論拠から出発したいたという点で、北米マーストリヒト期化石の貧弱さと発掘・研究の不均衡やバイアスから生じた問題と思われます。

非A

前回書き忘れてしまいましたが、特に化石が乏しいのは北米のマーストリヒト後期・白亜紀再末期の、ティラノサウルスとトリケラトプスが生存していた時代の地層です。マーストリヒト前期の化石は若干マシです(それでもカンパニア期より少ないのですが…)。ティラノサウルスとトリケラトプスという二大有名恐竜が発見から70~100年近くも全身を復元可能な完全骨格が見つかっていなかった事からも、如何にマーストリヒト後期の化石産出状況が不利かを示しています。現在ではティラノサウルス狙いの発掘で全身或いは良好な標本が増えましたが、これはこれで明らかな発掘バイアス。今回問題になった幼体や小型恐竜の化石もそれに伴い追加されているものの矢張り少なく、相対的に益々置いてきぼりになっている印象さえあります(元々、幼体や小型恐竜の骨は脆く、見つかりにくいのです)。又、同様な条件に晒されているトリケラトプスにも矢張り「成長過程か別属か」という問題があり、結論が行ったり来たりしているにも関わらず第一報がセンセーショナルに拡散して其れっ切り…という事態があります。じゃあ化石が豊富なカンパニア期はさぞ順調かと言えば差に非ず。成長過程・性別差・個体差、属では無く種の違いかも知れない大型角竜やティラノサウルス類の大量の良好な標本が悉く新属として記載され、「オラが州の角竜・ティラノサウルス類(ついでに鎧竜)」状態になっている感があります。中国の完璧な保存状態の羽毛恐竜化石は反中感情なのか何なのか、某書き込みサイトで「どうせ偽物」という根拠不明な書き込みで氾濫した(特に日中友好40周年の恐竜展時)ものですが、寧ろ米国の恐竜ニュースの一部にも眉に唾をつける習慣が必要があります。今回の研究は先走りに対する反証の為に綿密な(分岐)分析をしているでしょうから、大丈夫だと思いたいですが…。

のぐー

その「論拠が崩れた」ほうの記事
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/83889

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