小さなハヤブサが“大きな成果”を生む
ミシガン州立大学の研究チームは、ミシガン州北部にある8つのサクランボ農園に巣箱を設置し、アメリカチョウゲンボウを誘致する実験を行いました。
アメリカチョウゲンボウ(学名:Falco sparverius)は木の穴など小さな空間に巣をつくる習性があるため、巣箱にはすぐに入居し、繁殖を開始しました。
そして収穫期が近づく7月、研究者たちは果樹園に訪れる鳥の種類と数を詳細に記録しました。
すると驚くべき結果が現れました。
アメリカチョウゲンボウが巣箱付近にいる農園では、コマドリやムクドリといった、サクランボを食べることで知られる鳥たちの来訪が大幅に減少したのです。
さらに、サクランボの損傷リスクは、チョウゲンボウ導入前の10倍以上低下していました。
つまり、アメリカチョウゲンボウが農園の上空を巡回するだけで、小鳥たちが近寄りにくくなるのです。
効果はそれだけではありませんでした。
研究者が樹木の枝に付着したフンの痕跡を調査したところ、
フンの量は最大3分の1に減少 していました。
鳥の来訪が減ればフンも減る──これは食品安全の観点からも大きなメリットです。
もちろん、アメリカチョウゲンボウ自身もフンをします。
しかし、チームは「果実を食べる鳥たちを遠ざける効果のほうが圧倒的に大きい」と指摘しており、巣箱近くの木は明らかにフンの量が少なかったと報告しています。
この結果は、ハヤブサ類を農作物の生態管理に活用する有望性を示すもので、特に食中毒リスクの高い作物(葉物野菜など)でも役立つ可能性があります。
ただし、アメリカチョウゲンボウは地域によって定着のしやすさが異なるため、すべての農園で万能とはいえません。
それでもチームは「低コストで維持管理が簡単な対策として価値がある」と結論づけています。
























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日本ではリンゴ園にフクロウの巣箱を置いて野ネズミを狩らせているそうです。しかしフクロウは夜勤なので、昼間に果実を食害する鳥を追い払う効果はありません。
日本のチョウゲンボウも巣箱に入ってくれるかな?
天敵はチョウゲンボウやフクロウに限らず、昆虫にもある。農薬や人工的工作物に頼らず自然の働きを利用することは環境負荷が低く様々な利点がある。まず生き物たちの生態を正しく解明する事が第一だと思う。