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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

驚異の耐熱性をもつ「新種アメーバ」を発見、真核生物では史上最強

2025.12.02 17:00:46 Tuesday

耐熱性の常識を覆す新種のアメーバが、米カリフォルニア州の地熱地帯で発見されました。

本種に新たに付けられた学名は「インセンディアモエバ・カスカデンシス(Incendiamoeba cascadensis)」

このアメーバはなんと42℃以上でないと成長せず、63℃で細胞分裂するという、真核生物としては史上最高の耐熱性を示したのです。

海外ニュースでは、親しみを込めて”ファイア・アメーバ(Fire Amoeba)”などと呼ばれています。

研究の詳細は米シラキュース大学(Syracuse University)により、2025年11月24日付でプレプリントサーバ『bioRxiv』に公開されました。

Extreme ‘Fire Amoeba’ Smashes Record For Heat Tolerance https://www.sciencealert.com/extreme-fire-amoeba-smashes-record-for-heat-tolerance
A geothermal amoeba sets a new upper temperature limit for eukaryotes https://doi.org/10.1101/2025.11.24.690213 (PDF)

地熱水の中に潜んでいた「ファイア・アメーバ」

研究が行われたのは、カリフォルニア州にあるラッセン火山国立公園です。

この地域は、49〜65℃の地熱水が流れ、pH6〜7の比較的中性の環境が安定して続く場所で、過去にも多様な微生物群集が報告されてきました。

研究チームは2023〜2025年にかけて、20か所の地熱地点からサンプルを採取し、そこに含まれる微生物を培養しました。

その結果、20地点中14地点から新種アメーバ(インセンディアモエバ・カスカデンシス)の存在を確認

培養を続けると、57℃・60℃では1〜2週間後に明確に増殖し、3週間目には63℃でも成長していることが分かりました。

【新種アメーバの画像がこちら

また環境DNAデータベースを検索したところ、このアメーバとほぼ同じ遺伝子断片が

・ニュージーランドのタウポ火山帯

・アメリカ・イエローストーン国立公園

にも存在することが判明しました。

つまり、本種は世界の高温地熱地帯に散在する「隠れた真核生物」で、これまで見落とされてきただけの可能性があるのです。

次ページ何℃まで耐えられるのか?

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