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新種のカボチャヒキガエル/ Credit: Luiz Fernando Ribeiro/CC-BY 4.0
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ブラジルの森で「新種のカボチャヒキガエル」を発見

2025.12.11 21:00:38 Thursday

ブラジルの大西洋岸森林の奥深くから、驚くべき新種の発見が報告されました。

その名の通り、体長わずか1センチメートルほどの極小サイズでありながら、鮮やかなオレンジ色。

カボチャヒキガエルの新種であり、新たに「ブラキケファルス・ルライ(Brachycephalus lulai)」と命名されました。

研究の詳細は英エッジ・ヒル大学(EHU)により、2025年12月10日付で科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されています。

New Species of Tiny Pumpkin Toadlet Discovered in Brazil’s Cloud Forests https://www.sciencealert.com/new-species-of-tiny-pumpkin-toadlet-discovered-in-brazils-cloud-forests New Species Of Tiny Pumpkin Toadlet Is The Size Of A Pencil Tip, And We Cannot Cope https://www.iflscience.com/new-species-of-tiny-pumpkin-toadlet-is-the-size-of-a-pencil-tip-and-we-cannot-cope-81853
A new species of Brachycephalus (Anura: Brachycephalidae) from Serra do Quiriri, northeastern Santa Catarina state, southern Brazil, with a review of the diagnosis among species of the B. pernix group and proposed conservation measures https://doi.org/10.1371/journal.pone.0334746

超小型カエルの新種

今回新種と認定されたB・ルライは、ブラジル南部のサンタ・カタリーナ州にあるセーラ・ド・キリリ山脈の、海抜750メートル以上の高地にある雲霧林の落ち葉の中に生息しています。

このカボチャヒキガエルが属するブラキケファルス属は、現在42種が知られており、そのうちの35種は2000年以降に確認された比較的新しい発見が多いグループです。

彼らの特徴は、その驚異的な小ささ、そしてしばしば鮮やかな体色です。

しかし、B・ルライの発見において、研究者たちを導いたのは、その目立つオレンジ色ではありませんでした。

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新種のカボチャヒキガエル/ Credit: Luiz Fernando Ribeiro/CC-BY 4.0

決め手となった「鳴き声のサイン」

研究チームは、この地域のブラキケファルス属の個体群を7年間かけてカタログ化する中で、新種の存在に気づきました。

その決め手となったのは、このカボチャヒキガエルの鳴き声です。

非常に小さく、落ち葉の中に隠れて見つけにくい彼らですが、オスがメスを呼ぶための「求愛のクローク(鳴き声)」は、他の近縁種とは異なる音を持っていました。

科学者たちは、この鳴き声を頼りにオスの居場所を突き止め、鳴かないメスは「無作為に」収集されました。

採取された標本は研究室で詳細に分析。

遺伝子解析に加え、その丸い吻(ふん、口先)の形ヒキガエルのような体形、そして他のカエルにはある第5指(第五趾)がないことなど、数多くの形態的な違いが確認され、晴れて新種と認定されました。

また、興味深いことに、この種には性的二形があり、メスがオスよりもわずかに大きいことが判明しています。

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