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Credit: canva
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台風通過後に「ある病気」のリスクが日本全国で上昇していた

2025.12.12 07:00:57 Friday

毎年、日本列島を襲う台風。

この自然災害は直撃の最中だけでなく、台風が去った後にも注意が必要なようです。

このほど、東京科学大学の研究で、台風通過後の期間において「脳卒中」のリスクが上昇していることが確認されました。

研究の詳細は2025年11月9日付で科学雑誌『Environment International』に掲載されています。

台風通過後に脳卒中リスクが上昇することを全国解析で確認 https://www.isct.ac.jp/ja/news/8wgzygzwa34e
Association between tropical cyclone exposure and stroke hospitalization: A nationwide time-series analysis in Japan https://doi.org/10.1016/j.envint.2025.109906

台風去った後の「脳卒中」リスクとは?

これまで、自然災害と健康影響を結びつける研究は多くありませんでした。

特に、脳卒中のように発症に複数の要因が絡む病気について、台風の影響を類型別に詳細に調べた研究は世界的に見ても例がありません。

研究チームは、2011年から2021年にかけて、日本全国で5月~10月に発生した脳卒中の緊急入院症例を分析。

そして、台風への「曝露期間」(台風通過当日〜6日後までの計7日間)と「非曝露期間」を比較した結果、衝撃的な事実が判明したのです。

まず、脳卒中全体の緊急入院リスクは、台風がない期間と比べて、台風曝露後の7日間で1.049倍に上昇していました。

約5%の上昇は、全国規模でみれば決して無視できない数字です。

さらにチームは、脳卒中を「虚血性(脳梗塞など)」と「出血性(脳内出血、くも膜下出血)」に分けて詳細に解析。

その結果、リスク上昇の傾向が顕著だったのは「出血性脳卒中」でした。

出血性脳卒中全体で見ると、リスクはなんと1.129倍(約13%増)に跳ね上がっていました。

内訳を見ると、脳の内部で血管が破れる「脳内出血」で1.131倍、そして「人生最悪の頭痛」とも呼ばれる「くも膜下出血」でも1.094倍と、いずれも高い上昇傾向が示されています。

この結果は、「台風通過後」という特定の期間が、特に血管が破れやすいタイプの脳卒中の発症を誘発している可能性を強く示しているのです。

次ページなぜ台風は「脳」を襲うのか?鍵を握る「気圧の急変」

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