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Credit: canva
psychology

陰謀論を信じやすくなる「社会条件」が明らかに

2025.12.18 21:00:50 Thursday

なぜ、明らかな証拠が乏しくても、陰謀論を信じてしまう人が後を絶たないのでしょうか。

それは個人の思い込みや性格の問題だけではなく、私たちが暮らす「社会のあり方」そのものと深く関係している可能性があります。

スイス・ローザンヌ大学(UNIL)らの最新研究により、ある社会条件のもとでは、人はより陰謀論を信じやすくなることが明らかになりました。

研究の詳細は2025年10月30日付で学術誌『European Journal of Social Psychology』に掲載されています。

Conspiracy beliefs are higher in societies with lower freedom of speech, study finds https://www.psypost.org/conspiracy-beliefs-are-higher-in-societies-with-lower-freedom-of-speech-study-finds/
The Impact of Freedom of Speech on Conspiracy Beliefs https://doi.org/10.1002/ejsp.70029

陰謀論はなぜ広がるのか

陰謀論とは、出来事の背後で強大な集団や権力者が密かにすべてを操っていると考える説明のことです。

新型コロナウイルスの流行や政治的事件、大きな事故など、不安や混乱が生じる場面で特に広がりやすいとされています。

こうした考え方は、複雑で理解しにくい現実を「悪役」と「筋書き」によって単純化してくれます。

誰かが裏で操っていると考えれば、不確実な状況にも一応の意味づけができるからです。

また、陰謀論は感情に強く訴え、印象的で覚えやすい物語として語られるため、事実関係の検証よりも先に人々の心に入り込みます。

一度信じてしまうと、それを裏づける情報だけを集め、反対の証拠は「隠蔽の一部」として退けてしまう傾向も指摘されています。

では、こうした陰謀論は、どのような社会で生まれやすいのでしょうか。

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