冷酷な理論が人間にも当てはまるのか?
「退屈」という感情は不思議なものです。
暇を持て余してスマホをダラダラとスクロールしてしまう夜、更に何か刺激を求めてしまうのは、誰しも心当たりがあるでしょう。
多くの人にとって退屈は「やることがない不満」に過ぎませんが、科学者たちは退屈が進化の産物かもしれないと考え始めています。
ここで言う退屈とは「つまらないと感じる」だけでなく「見切りをつける」という態度も含まれています。
例えばランダム要素が強いゲームを思い出してください。
通常、何が起こるかわからないゲームはギャンブルのようにワクワクして退屈の対極にあるように思えてきます。
しかしイベントは派手で刺激的でも、「今の行動が報われる見通しが立たない」「どこを掘っても手応えが薄い」状態が続くと、人は“ワクワク”ではなく「別のルート探そう」「別のゲームに移ろう」という落ち着かない不快感を持ちます。
こうした感覚も、これもまた「退屈」の1つの形だと言えるでしょう。
報われないギャンブルに見切りをつけて、別のことをしようとするのも、退屈の重要な機能と考えられます。
実際、論文においても予測不能な環境で同じ場所に留まるコスト(機会損失:他の選択肢を失う損)が大きくなりやすいときに、押し出すための心理的な仕組みとして「退屈」が存在する可能性があると述べています。
ですが論文ではこの「見切りをつける」という部分をもう少し大きいスケール――つまり人生全体に広げた理論を提示しています。
人は日々の暇つぶしだけでなく、時間や体力やお金といった限られた資源を、勉強や健康などの“長期の自己投資”に回すのか、それとも今すぐ手に入る成果に回すのかを、いつもどこかで選んでいます。
もし環境が不安定で「この先どうなるか分からない」度合いが高いなら、長期投資にかけた分が報われないリスクも増えます。
その場合は長期的な取り組みを「退屈」の仕組みで放棄して、より刹那的な生き方をしたほうが、最終的に得るものが大きくなり得ます。
研究者たちはこのような退屈の仕組みを「生物が一生の配分をどう決めるかという理論(ライフ・ヒストリー理論)」という生命の進化レベルの理論の中に組み込めると考えています。
ライフ・ヒストリー理論+退屈
ライフ・ヒストリー理論に退屈の概念を組み込むと「先が保証されない環境では、長期の自己投資に賭ける価値が下がり、早めに繁殖や短期成果へ資源を振り分ける方が“平均として”子孫を残しやすい。その切り替えを内側から押す信号として、退屈が頻繁に立ち上がる可能性がある」という視点が新たに得られます。
より砕けた言い方をするなら「あまりうま味のない人生を送っている個体は自分を大切にするような長期投資をするのではなく、若いうちに子供をつくるなど短期成果を目指したほうが有利だ」となるでしょう。
もしこの冷酷な理論が人間にも当てはまるのならば、退屈を感じている人々の生き方にも、この理論に沿った特徴的なパターンが現れる可能性があります。
そこで今回研究者たちは退屈の感じやすさと人生戦略にどのような関係があるかを調べることにしました。





























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