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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
space

火星はかつて「北極海サイズの海」に覆われていた

2026.01.26 12:00:30 Monday

現在の火星は、荒涼とした”赤い惑星”として知られています。

しかしスイス・ベルン大学(University of Bern)の最新研究は、30億年以上前の火星が、いまの地球の北極海に匹敵する巨大な海をたたえた「青い惑星」だった可能性を示しました。

決め手となったのは、火星最大の峡谷に残されていた意外にも“地球そっくり”な地形でした。

研究の詳細は2026年1月7日付で科学雑誌『NPJ Space Exploration』に掲載されています。

An ocean the size of the Arctic once covered half of Mars, new images hint https://www.livescience.com/space/mars/an-ocean-the-size-of-the-arctic-once-covered-half-of-mars-new-images-hint Mars was half covered by an ocean https://mediarelations.unibe.ch/media_releases/2026/media_releases_2026/mars_was_half_covered_by_an_ocean/index_eng.html
Scarp-fronted deposits record the highest water level in Mars’ Valles Marineris https://doi.org/10.1038/s44453-025-00015-8

火星最大の峡谷で見つかった「河川デルタの痕跡」

火星に水が存在したかどうかは、惑星科学における最重要テーマの一つです。

これまでにも、川の跡や水によって変質した鉱物などから、火星がかつて湿潤な環境だった可能性は指摘されてきました。

今回注目されたのは、赤道付近に広がる火星最大の峡谷群「マリネリス峡谷です。

全長は地球のグランドキャニオンの約5倍にも達し、火星の地形史を読み解く重要な場所とされています。

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マリネリス峡谷/ Credit: ja.wikipedia

ベルン大学を中心とする国際研究チームは、複数の火星周回機が撮影した高解像度画像を詳細に解析しました。

その結果、峡谷の縁に「地球の河川デルタと極めてよく似た堆積構造」を発見したのです。

これらは、川が海などの静かな水域に流れ込む際に、砂や礫が扇状にたまってできる「扇状デルタ」と解釈されました。

重要なのは、これらの堆積物が偶然できたものではなく、「水中でなければ形成できない構造」を持っている点です。

さらに、これらのデルタ状堆積物は、ほぼ同じ標高帯に揃って分布していました。

これは堆積当時に安定した水面、つまり「海岸線」が存在していたことを示唆します。

次ページ北半球を覆った「巨大な古代海」

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