画像
片頭痛予防薬「CGRP関連抗体薬」が5割の患者の発作を半減 / Credit:Canva
medical

「片頭痛予防薬」で発作が半減、5割の患者で確認

2026.01.30 17:00:13 Friday

吐き気を伴う強烈な「片頭痛」は、それが起こるたびに日常生活を大きく制限します。

光や音に耐えられず、仕事や家事を中断せざるを得ない経験を持つ人も少なくありません。

こうした片頭痛に対し、慶應義塾大学の研究チームは、2021年から日本で使用可能になったCGRP関連抗体薬について、実際の患者データを用いてその効果と安全性を検証しました。

その結果、この新しい予防薬によって、およそ5割の患者で月間の片頭痛日数が治療前の半分以下に減少していたことが明らかになりました。

この研究成果は、2026年1月15日に『Journal of the Neurological Sciences』のオンライン版に掲載されています。

片頭痛 CGRP関連抗体薬による治療で5割の患者の発作が半分以下に減少-慶應義塾大学チームが検証- https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2026/1/29/28-172358/
A 12-month observational study on the safety, efficacy on migraine-associated symptoms and satisfaction of CGRP monoclonal antibodies in Japanese patients with migraine https://doi.org/10.1016/j.jns.2026.125751

片頭痛予防薬「CGRP関連抗体薬」で発作が半減

片頭痛は、日本国内で有病率が約8.4%とされる、決して珍しくない疾患です。

治療は大きく分けて、発作が起きたときに痛みを抑える急性期治療と、発作そのものを起こりにくくする予防治療に分類されます。

これまで予防薬として使われてきたのは、抗てんかん薬や降圧薬、抗うつ薬など、本来は別の病気を対象に開発された薬です。

そのため効果に個人差が大きく、副作用のために継続が難しいケースも少なくありませんでした。

そこで注目されたのが、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)です。

CGRPは頭部の感覚を担う三叉神経系に多く存在し、片頭痛発作時に放出されることで血管拡張や炎症反応を引き起こすと考えられています。

つまりCGRPは、片頭痛の発症メカニズムに深く関わる重要な物質です。

CGRP関連抗体薬は、このCGRPそのもの、あるいはCGRPが結合する受容体に作用し、発作の引き金となる働きを抑えるよう設計された予防薬です。

日本では2021年から、月1回または3カ月に1回の皮下注射として使用できるようになりました。

では、このCGRP関連抗体薬はどの程度の効果を発揮するのでしょうか。

研究チームはその点を調べるため、2021年8月から2023年2月までに慶應義塾大学病院でCGRP関連抗体薬による治療を開始した片頭痛患者150人の診療データを、後方視的に解析しました。

対象には反復性片頭痛と慢性片頭痛の両方が含まれています。

解析では、月間片頭痛日数の変化に加えて、前兆や随伴症状、副作用、患者自身の治療満足度などが評価されました。

その結果、治療を継続していた患者のうち、6カ月後で54%、1年後で52%が、片頭痛日数を治療前の半分以下に減らしていたことが分かりました。

片頭痛で常々悩んでいる人にとって、これは大きな変化です。

より詳細な結果については、次項で確認しましょう。

次ページ満足度90%以上!光や音への過敏、吐き気も改善される

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

医療のニュースmedical news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!