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女性で痛みが長引く理由が判明 / Credit:Canva
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女性が男性よりも「痛みを長く感じる」理由が判明

2026.03.03 06:30:01 Tuesday

事故や手術の後、回復の過程は人によって異なります。

同様に、多くの研究で、女性は男性よりも長く痛みが続くことが知られてきました。

これは単に感じ方の違いなのでしょうか。

この疑問に対し、米国のミシガン州立大学(MSU)の研究チームは、痛みの持続に関わる免疫細胞の働きに男女差があることを示しました。

ポイントは、免疫細胞の一種である単球(血液中を流れる白血球の一種)が放つ「痛みを鎮める合図」の出方が、性ホルモンの影響で変わり得るという点です。

研究の詳細は。2026年2月20日付で『Science Immunology』に掲載されました。

Why chronic pain lasts longer in women: Immune cells offer clues https://www.eurekalert.org/news-releases/1116635 Women Experience Longer Lasting Pain Than Men and Scientists Think They Finally Know the Reason Why https://www.zmescience.com/medicine/women-experience-longer-lasting-pain-why/
Monocyte-derived IL-10 drives sex differences in pain duration https://doi.org/10.1126/sciimmunol.adx0292

雌マウスの痛みが長く続くの理由が判明

慢性疼痛(chronic pain)とは、ケガや病気などのきっかけが落ち着いた後も長く続き、日常生活に支障を来す痛みを指します。

一般に「3か月以上続く痛み」が一つの目安とされ、つらさが長期化するほど生活の質を大きく損ないます。

そして多くの慢性疼痛の病態で、女性の比率が高いことが知られてきました。

では、なぜ女性の痛みは長引きやすいのでしょうか。

従来は「女性のほうが痛みに敏感なのでは」「炎症が強いのでは」といった見方もありました。

しかし研究チームは、痛みの強さそのものよりも「痛みを終わらせる仕組み」がどれだけ働くかに差があるのではないかと考えました。

研究チームはまず、マウスの足裏に炎症を起こす物質を注射し、機械刺激に対する反応で痛みの経過を追いました。

すると、炎症直後の強い痛みは雌雄ともに生じ、腫れの程度にも目立った性差は見られませんでした。

ところが約1週間後から、回復のスピードに差が現れます。

オスは痛みが和らぎ始める一方で、メスは痛みがより長く続いたのです。

そこで研究チームは、炎症部位に集まる免疫細胞を詳しく調べました。

細胞の種類や状態を一度に細かく見分けられる解析を用いたところ、抗炎症性の分子インターロイキン10(IL-10)を作る細胞がオスで多いことが分かりました。

さらに、そのIL-10の主な供給源は単球(血液中を流れ、炎症が起きた場所に集まる白血球の一種)であり、IL-10が多い個体ほど痛みの回復が早いという関係も示されました。

次項では、IL-10がどのように働き、なぜ男女差が生まれるのかを詳しく見ていきます。

次ページ「痛みを止める合図」を送ることに男性ホルモンが関わっている

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