これは缶の雑学ではなく、壊れ方の科学でもある

研究チームは、この現象を数式で説明しています。
そこで重要だったのが、ホモクリニック・スネーキングと呼ばれるパターン形成の考え方です。
名前は少し難しそうですが、要するに、波や模様がいきなり全体に広がるのではなく、ひとつ現れ、そこへもうひとつ、さらにもうひとつと追加されていくタイプの現象を表す数学です。
今回の缶では、その「模様」がそのままリング状のへこみになっていました。
つまりソーダ缶のシマシマは、偶然できたものではなく、自然界のパターン形成と同じようなルールに従っていたのです。
この発見は、もちろん缶つぶし動画だけの話では終わりません。
液体を入れた金属の円筒は、タンクや輸送容器、建設材料、エネルギー設備、さらにはロケット関連の構造にも広く使われています。
もし今回のような「一本ずつ増える座屈」が壊れる前のサインになるなら、危険をもっと早く察知できるかもしれません。
逆に、この現象をうまく利用すれば、金型を使わずに、充填後の缶や容器に規則正しい凹凸をつける新しい加工法につながる可能性もあります。
論文でも、こうした“型なし成形”の可能性に触れています。
私たちは缶のシマシマを見ると、つい「潰れてしわになっただけ」と思ってしまいます。
ですが実際には、その背後で液体の縮みにくさと金属の非線形な変形応答がせめぎ合い、結果として輪が一本ずつ整然と生まれていたのです。
ぐしゃっと壊れているように見える缶ですら、じつはかなり律儀に、かなり数学的に潰れていました。
何気ないソーダ缶の表面に、こんなに行儀のいい“壊れ方の法則”が隠れていたとは、少し驚かされます。
(※本記事のメインはここまでですが、次ページではこの研究を少し専門家向けに解説したものを掲載します)
























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