理由3「地球の環境は宇宙人にとって快適とは限らない」
3つ目の問題は、地球そのものです。
私たちにとって地球は住み慣れた場所ですが、別の惑星で進化した生命にとっても快適だとは限りません。
地球の生命は、地球環境と一緒に長い時間をかけて進化してきました。
たとえば、現在の地球大気には酸素が含まれていますが、これは最初から大量にあったわけではありません。
約24億年前、シアノバクテリアという単細胞微生物が光合成によって酸素を放出し、それが大気の性質を大きく変えました。
この変化がなければ、地球上に複雑な生命は誕生しなかった可能性があります。
しかし、酸素は私たちにとって必要なものでも、化学的には反応性の高い物質です。
地球外の生命にとっては、酸素が毒性や腐食性を持つ危険な環境要因になる可能性もあります。
もちろん、もし宇宙人が地球に来るなら、防護服や宇宙服を着ればよいのではないか、と考えることもできます。
しかし、一般に語られる「宇宙人が地球を訪れた」という目撃談では、そうした防護装備が詳しく描写されることはほとんどありません。
この点も、地球訪問説をそのまま受け入れにくい理由の一つです。

では、宇宙人はまったく存在しないのでしょうか。
それもまた、早計な結論です。
これまでに少なくとも、4700以上の恒星系で約6200個の太陽系外惑星が見つかっています。
私たちの銀河系だけでも1000億個を超える恒星があると考えられており、多くの恒星が惑星を持つ可能性があります。
その中には、生命が存在できる環境を持つ惑星があっても不思議ではありません。
また、太陽系内にも、過去または現在の微生物生命の可能性が議論される天体があります。
火星、木星の衛星エウロパ、土星の衛星エンケラドゥスやタイタンなどです。
もし太陽系の中で、地球以外にも生命が誕生していた証拠が見つかれば、生命が宇宙で珍しい現象ではない可能性は高まります。
1960年代以降、人類は電波望遠鏡などを用いて、地球外知的生命からの信号を探してきました。
SETI研究所やブレイクスルー・リッスン計画などが、その代表的な取り組みです。
今のところ、知的生命からの確かな信号は見つかっていません。
しかし、宇宙の年齢は約138億年です。
その中で、人類が電波で空を探し始めてからの期間は、わずか100年ほどにすぎません。
この短い時間枠の中で、ほかの文明と偶然タイミングが重なることは、非常に難しいのです。
宇宙人は、どこかに存在するかもしれません。
しかし、宇宙の距離、時間、エネルギー、そして地球環境の特殊さを考えると、彼らが頻繁に地球を訪れていると考えるには、大きな壁がいくつもあります。
宇宙人探しに必要なのは、「もう来ているはずだ」と決めつけることではなく、広すぎる宇宙に向けて、地道に問いを投げ続ける姿勢なのです。





























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