「ゲームの中の経験」は心とどう関係するのか
孤立や、孤独感は社会的に大きな問題になって来ていますが、孤独感は、友人の数や会話の回数だけで決まるものではありません。
人に囲まれていても孤独を感じることがありますし、逆に一人でも特に孤独や寂しさを感じない場合もよくあります。
こうした中で、注目されるのが、基本的に家で一人で遊ぶことの多いゲームがもたらす影響です。
ゲームと孤独感の関係と言われると、多くの人がまずオンラインゲームを思い浮かべるかもしれません。
ボイスチャットで話す。協力して敵を倒す。ギルドやチームで知り合いができる。このようなゲームなら、家に一人だとしても人との交流を保て、孤独感を和らげる効果は想像しやすいでしょう。
一方で、今回の研究チームが注目したのは、一人で遊ぶことが前提のゲームです。
こうしたゲームでは、コミュニケーションツールとしての側面を除外して、その影響を見ることが出来ます。
特にオープンワールドゲーム(open-world game)では、プレイヤーは広い仮想世界を自由に移動し、決められた一本道ではなく、どこへ行くか、何を試すかを自分で選びます。
敵に負ければ準備を変え、道に迷えば別のルートを探します。
研究チームは、このようなゲーム内の体験が、ストイシズムと関係するのではないかと考えました。
ストイシズム(Stoicism)とは、自分で変えられることに意識を向け、変えられない出来事には振り回されないようにする考え方のことです。
これは元は哲学の概念でしたが、近年はメンタルヘルスと関連する要因として、心理学研究で注目されています。
そこ今回の研究では、ショッピングモール内のビデオゲーム店の近くで参加者を募り、2300人にタブレットで短いアンケートに回答してもらいました。
調査では、ストイシズムを測定する質問票とともに、『ゼルダ』シリーズのオープンワールドゲームを最近または現在遊んでいるか、『ヨッシー』シリーズのような、親しみやすく遊びやすいゲームを遊んでいるかという質問が行われました。
また孤独感についても、「周囲に空虚さを感じるか」「頼れる人がいないと感じるか」「仲間が足りないと感じるか」といった質問が行われました。
その結果、オープンワールドゲームを遊ぶ人は、遊ばない人よりも孤独感が低く、ストイシズムの得点が高い傾向を示しました。
ここでいうストイシズムの高さとは、うまくいかないことが起きたときに、「なぜこうなったのか」と不満を抱くだけでなく、「では自分は次に何ができるか」と考えやすいことを意味します。
ヨッシーのような親しみやすいゲームを遊ぶ人でも、同じ傾向が見られました。
では、ゼルダやヨッシーなど、一人プレイ用ゲームを好む人のほうが孤独感が低くなる背景には何があるのでしょうか?





























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