オープンワールドゲームは「一人の時間」の感じ方を変える
今回の研究で興味深いのは、ゲームと孤独感の関係を「人と交流できるかどうか」だけで見ていない点です。
オンラインゲームで友人ができれば、孤独感が下がるのは当たり前です。
しかし今回の研究が注目したのは、人との交流を主な目的にしない一人用ゲームでした。
孤独感は「一人であるか」ではなく、本人がその時間をどう意味づけするかで決まります。
人に囲まれていようと、一人でいようと「話し相手がいない」と感じれば、孤独感は強まりやすくなります。
一方で、一人を「自分で考え、自分のペースで行動できる時間」と感じれば、同じ孤独であっても意味は変わります。
ここに関係してくるのが、ストイシズムだと考えられます。
この研究では、ストイシズムを「物事には終わりがあること」「自分に出来ることを考えて行動すること」「困難な状況で次に何ができるか考えること」として測定しました。
ストイシズムが高い人は、思い通りにいかない場面でも、ただ落ち込んだり不満を抱いたりするだけでなく、「自分に何ができるか、次はどうしようか」を考えやすい傾向がありました。
そしてオープンワールドゲームを遊ぶ人ほど、このストイシズムの得点が高く、さらに孤独感が低かったのです。
オープンワールドゲームでは、プレイヤーが「自分で選ぶ」「失敗してもやり直す」「次にできることを考える」という経験を重ねていきますが、それが一人の時間の感じ方に影響を与えているのかもしれません。
こうした感覚があると、一人でいる状態は、ただの欠落ではなく、自分を整えたり考えたりする時間として扱いやすくなると考えられるのです。
また、『ヨッシークラフトワールド』のような親しみやすいゲームを遊ぶ人でも、孤独感の低さやストイシズムの高さとの関連が見られました。
こちらは、安心して遊べる雰囲気や、気分を落ち着かせる時間が孤独感の低下と関係している可能性はあります。
しかし、このタイプのゲームについては、それがストイシズムとどう結びつくのかまでは、まだよくわかっていません。
またこの研究は横断調査である点に注意が必要です。
横断調査とは、ある時点での人々の状態や関係を調べる研究方法です。この調査方法では時間的な変化を追うことが出来ません。
そのため、ゲームを遊んだ結果としてストイシズムが高まり孤独感が低下したのか、もともとストイシズムが高い人がこうしたゲームを好むのかは分かりません。
また、測られたのは自己申告による孤独感とストイシズムであり、現実の人間関係や行動の変化を追跡したわけでもありません。
しかし今回の結果は、一人用ゲームにも、孤独感と関係する心理的な作用がある可能性を示しています。
ゲームが孤独感に関係するとしても、それは必ずしも「誰かとつながるから」だけではないのです。





























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