専門家が教える「AI翻訳本を疑う10のポイント」
ブラッドフォード氏は、購入前に確認できる「質の悪いAI翻訳本に共通するポイント」を挙げています。
1つ目は、表紙のデザインが粗雑だったり、商業出版物として不自然に見えたりすることです。
翻訳だけでなく、表紙にもAIが使われている可能性があります。
2つ目は、原著者がすでに亡くなった有名作家であることです。
これは、著作権が切れた作品は原文を利用しやすいためです。
3つ目は、作品のタイトルそのものが有名な作品、あるいは「有名作家のあまり知られていない作品」であることです。
これは、すでに知名度のある作品ほど読者の関心を引きやすく、また原文が入手しやすいため、AI翻訳や簡易な機械翻訳を使った“量産本”の対象になりやすいからです。
4つ目は、翻訳者名を検索しても経歴や過去の仕事がほとんど見つからないことです。
大量に翻訳書を出しているのに、翻訳者としての活動記録がほぼ見当たらなければ注意する材料になります。
5つ目は、翻訳者の写真がないことです。
もちろん、写真がないだけでAI翻訳とは判断できませんが、1つの判断基準になります。
6つ目は、出版社の記載がなく、セルフ出版とみられることです。
その場合、専門編集者によるチェックを受けていない可能性があります。
7つ目は、その名義でAI普及後に不自然なほど多くの本が刊行されていることです。
文学翻訳には本来かなりの時間がかかるため、出版点数は重要な手掛かりになります。
8つ目は、1人がフランス語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語など、非常に幅広い言語から多数の作品を翻訳しているように見えることです。
9つ目は、試し読みしたときに段落の字下げがないなど、基本的な組版が崩れていることです。
これは「サンプル」「試し読み」を確認すると明らかです。
そして10個目は、実際の文章(サンプル)を読むことです。
「現代の読者向け」「現代的な翻訳」をうたっているのに、不自然に古臭い文章になっていないかを確認できます。
10のポイントを考慮できました。
もちろん、これらはAI使用を証明するものではありません。
1つ当てはまっただけでAI翻訳と決めつけるのではなく、複数のサインが重なったときに、訳者の経歴や出版社、試し読みを改めて確認するための目安です。
AIとセルフ出版によって、本を世に出すハードルは大きく下がっています。
だからこそ今後は、「本として売られているから専門家が十分に確認している」と安易に考えるべきではありません。
誰が訳し、誰が出版し、実際にどんな文章になっているのかを読者自身が確かめることが重要なのです

































