ワニガラはいつからワニのものだったのか?

動物園でワニを見ても、たいてい記憶に残るのは「なんか泥っぽい色」くらいのものです。
ところが実際の多くのワニには、尾や体に暗い縞が走り、脇腹や四肢には斑点や不規則な模様があります。
しかもこの模様は若い個体ほどくっきりしていて、歳を重ねるにつれて薄れていきます。
問題は、その模様がいつからワニのものだったのかを教えてくれる化石が、これまでなかったことです。
ワニの仲間(ワニ形類)は2億3000万年以上におよぶ長大な化石記録を持ちますが、皮膚や軟骨のような軟らかい組織が残った例はほとんどなく、報告は海で暮らしたグループにほぼ限られていました。
硬い皮骨板ばかりが大量に残り、その上に乗っていたはずの皮膚は失われてしまうのです。
きっかけは地道な作業の途中に訪れました。
研究チームがカタルーニャやヨーロッパ各地の博物館に散らばるモンセック産の化石をデータベース化していたとき、ある標本に紫外線を当てると、岩肌に何かの構造が浮かび上がることに気づいたのです。
その標本はMGB-512、全長わずか50センチほどの小さなワニ、モンセコスクス・デペレティ(Montsecosuchus depereti)でした。
イエネコほどの大きさしかないこの化石は、20世紀の初めにスペイン・カタルーニャ州の採石場で見つかり、1915年に記載され、1990年に現在の属名に移されています。
骨格については何度も研究されてきましたが、皮膚については何も報告されていませんでした。
紫外線の下では、化石化した組織が周囲の岩とは違う光り方をします。
通常の光では岩と一体になって見えていた輪郭が、そこで初めて分離するのです。
「紫外線のおかげで、そうでなければ岩の中に完全に隠れたままだったはずの細部を見ることができます」と、筆頭著者のオスカル・カスティージョ=ビサ博士は説明します。































