1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた
1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた / Credit:Soft tissue preservation in the Barremian Montsecosuchus depereti (Neosuchia: Atoposauridae)
paleontology

1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた

2026.08.31 20:00:16 Monday

スペインのカタルーニャ古生物学研究所ミケル・クルサフォン(ICP)を中心とする研究チームが、1億2500万年前のワニの仲間の化石から、尾に残された明暗の縞模様を見つけ出しました。

ワニの仲間で体の模様が保存されていた例としては、これが最も古いものになります。

驚かされるのは、その縞が今のワニの尾にある模様とよく似ていることです。ワニが尾に縞をまとう姿は、恐竜が歩き回っていた時代からすでにあったことになります。

論文の共著者アルベルト・セジェス博士は「尾が何色だったかを確実に述べることはできませんが、さまざまな模様を持つ現生種と、それほどかけ離れてはいなかったと考えられます」と述べています。

100年以上も博物館の収蔵庫に置かれていた化石から、なぜ今になって皮膚の模様が浮かび上がったのでしょうか。

研究の詳細は2026年6月13日に『Zoological Journal of the Linnean Society』にて発表されました。

Skin and color pattern of 125-million-year-old crocodile revealed by extraordinary fossil from the Pyrenees https://phys.org/news/2026-06-skin-pattern-million-year-crocodile.html
Soft tissue preservation in the Barremian Montsecosuchus depereti (Neosuchia: Atoposauridae) https://doi.org/10.1093/zoolinnean/zlag076

ワニガラはいつからワニのものだったのか?

ワニガラはいつからワニのものだったのか?
ワニガラはいつからワニのものだったのか? / Credit:Canva

動物園でワニを見ても、たいてい記憶に残るのは「なんか泥っぽい色」くらいのものです。

ところが実際の多くのワニには、尾や体に暗い縞が走り、脇腹や四肢には斑点や不規則な模様があります。

しかもこの模様は若い個体ほどくっきりしていて、歳を重ねるにつれて薄れていきます。

問題は、その模様がいつからワニのものだったのかを教えてくれる化石が、これまでなかったことです。

ワニの仲間(ワニ形類)は2億3000万年以上におよぶ長大な化石記録を持ちますが、皮膚や軟骨のような軟らかい組織が残った例はほとんどなく、報告は海で暮らしたグループにほぼ限られていました。

硬い皮骨板ばかりが大量に残り、その上に乗っていたはずの皮膚は失われてしまうのです。

きっかけは地道な作業の途中に訪れました。

研究チームがカタルーニャやヨーロッパ各地の博物館に散らばるモンセック産の化石をデータベース化していたとき、ある標本に紫外線を当てると、岩肌に何かの構造が浮かび上がることに気づいたのです。

その標本はMGB-512、全長わずか50センチほどの小さなワニ、モンセコスクス・デペレティ(Montsecosuchus depereti)でした。

イエネコほどの大きさしかないこの化石は、20世紀の初めにスペイン・カタルーニャ州の採石場で見つかり、1915年に記載され、1990年に現在の属名に移されています。

骨格については何度も研究されてきましたが、皮膚については何も報告されていませんでした。

紫外線の下では、化石化した組織が周囲の岩とは違う光り方をします。

通常の光では岩と一体になって見えていた輪郭が、そこで初めて分離するのです。

「紫外線のおかげで、そうでなければ岩の中に完全に隠れたままだったはずの細部を見ることができます」と、筆頭著者のオスカル・カスティージョ=ビサ博士は説明します。

次ページその縞は、鱗をまたいで続いていた

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

古生物のニュースpaleontology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!