1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた
1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた / Credit:Soft tissue preservation in the Barremian Montsecosuchus depereti (Neosuchia: Atoposauridae)
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1億2500万年前のワニの尾の皮膚に「縞模様」が残っていた (2/3)

2026.08.31 20:00:16 Monday

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その縞は、鱗をまたいで続いていた

その縞は、鱗をまたいで続いていた
その縞は、鱗をまたいで続いていた / Credit:Soft tissue preservation in the Barremian Montsecosuchus depereti (Neosuchia: Atoposauridae)

浮かび上がったのは、体のあちこちに点々と残る鱗でした。

鱗は体の前から後ろへ進むほど大きくなり、背骨から外側へ離れるほど小さくなります。

最も大きかったのは尾の鱗で、長さは1.3センチ近くに達していました。

体長50センチの動物としては、かなり大ぶりの鱗です。

そして尾の付け根、左側のとりわけ保存の良い一角に、それはありました。

暗い帯と淡い帯が、交互に横向きに並んでいたのです。

帯は1枚の鱗の中で終わらず、隣の鱗へそのまま続いていました。

後ろ側の帯はV字に曲がり、淡い帯をよく見ると、小さな丸い斑点がびっしり集まってできています。

斑点は帯の前方ほど大きく密で、後ろへいくほど小さく疎らになり、暗褐色の地色へとぼやけながら溶けていきます。

鱗の前半分は、一様に暗く沈んでいます。

研究チームは、これが模様以外のものである可能性をひとつずつ潰していきました。

紫外線の当たり方のいたずらではないか。

鉱物が後から結晶しなおした跡ではないか。

あるいは、石を割ったときに皮膚がきれいに剥がれず、たまたま濃淡がついただけではないか。

しかし同じパターンが何枚もの鱗で繰り返され、皮膚と母岩の光り方がはっきり異なっていることから、淡い帯も暗い帯も同じ皮膚の面の上に並んでいると結論づけられました。

この縞が果たしていた役割として研究チームが挙げるのが、体の輪郭をぼかす迷彩(分断色)です。

遠くから見れば太い明暗の帯が数本並んでいるだけですが、近づくにつれて細い淡色の帯が次々と見えてくる。

見る距離によって姿を変えるこの効果が、水辺に潜む小さな体のシルエットを崩していたと考えられます。

研究チームは色素の粒を探す分析までは行っていません。

それでも、恐竜時代のワニの尾にどんな模様が走っていたかは、これではっきりと読み取れます。

そしてもうひとつ、同じ皮膚から見つかったものがあります。

水の動きを感じ取るセンサー(皮膚感覚器)と思われる、小さなドームです。

現生のワニでは触覚や水圧の変化を捉え、濁った水の中で獲物の位置を知るのに使われています。

ただしモンセコスクスでは、鱗と鱗の隙間を埋める微小な鱗にだけ現れ、しかも首、四肢、胴と尾の縁という体の周縁部に限られていました。

背中側や体の中央では見つかっていません。

このことから研究チームは、このセンサーがまず体の縁の小さな鱗で局所的に生まれ、のちの一部の系統で体じゅうへ広がっていったと考えています。

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