特性と引き止め行動をつなぐ「橋」は何だった?

また、自閉的な特性が強い人ほど、相手が離れることへの不安と、心の近さへの苦手意識の両方が強い傾向も見られました。
これは、相手が去ることを心配しながら、同時に心の距離が縮まることにも戸惑いやすい姿を示していると考えられます。
そして自閉的な特性は、「速い戦略」や「遅い戦略」よりも、愛着スタイルのほうとより強く結びついていました。
予想に反して、特性が強い人ほど「速い戦略」をとりやすい、あるいは「遅い戦略」をとりにくいという関係は確かめられませんでした。
追加の分析では「速い戦略」とのつながりをうかがわせる結果も出ましたが、ウカシク氏は特性とこうした戦略との関係は弱かったと述べています。
つまり、自閉的な特性と恋人への振る舞いをつなぐ「橋」の役目をしていたのは、進化の戦略よりも愛着スタイルのほうだったのです。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(別れた恋人への「感情の引きずり」はどのくらい続くのか?)
なお、性別によってこうした関係が変わるという結果は得られませんでした。
また年齢が高い人ほど、見捨てられる不安や「速い戦略」の傾向、引き止め行動が少なく、「遅い戦略」の傾向が強いことも分かりました。
もちろん、この研究には限界もあります。
チーム自身は、自閉的な特性から「速い戦略」「遅い戦略」を予測する力が弱かった点を大きな限界とし、今後は別の測り方が必要だとしています。
また今回の結果は、ポーランドの一地域の人たちのアンケートから見えた「関連」であり、特性が行動の原因だと言い切れるものではありません。
それでも今回の研究は、恋人との関係の保ち方の違いを考えるうえで、心の距離の取り方に目を向ける手がかりを与えています。
恋人の振る舞いがそっけなく見えるときも、その裏には、相手との近さをどう感じるかというその人なりの心のくせがあるのかもしれません。
もちろん逆に、記念日を忘れた言い訳に「私の愛着スタイルが」と言い出すのも、たぶん逆効果です。




















