脳の老け具合は「腸」とつながっていたのか?

まず、画像から見積もった脳の年齢は、3つのグループすべてで実際の年齢とある程度そろって動いていました。
2つの数字がどれだけ一緒に動くかを表す相関の値は、0.50〜0.59でした。
そのうえで、脳老化指数が高い人、つまり脳が実年齢より老けて見える人には、グループをまたいで共通する特徴がありました。
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ひとつは、記憶や自分をふり返ることに関わる脳の領域で、つながり方に一貫したパターンが見られたことです。
もうひとつは、テストの成績が低い傾向があり、とくにワーキングメモリ(作業記憶)や、集中し段取りを整える力(実行機能)で差が出ていたことです。
さらに、指数が高い人ほど、うつに関わる症状を多く報告していました。
ではいよいよ、腸との関係です。
便を分析したグループでは、脳老化指数と結びつく腸内細菌の種類や、便の中の物質が見つかりました。
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その中には、セラミドと呼ばれる脂肪の分子や、24-ヒドロキシコレステロールというコレステロールに関わる物質、ジカルボン酸と呼ばれる物質などが含まれていました。
反対に、エステトロールというホルモンは、指数が高い人ほど少ないという逆向きの関係にありました。
これらの物質に関わる体の仕組みをたどると、免疫の働き、血管の働き、脳の細胞どうしのやりとり、細胞のエネルギーづくりといった経路が関係している可能性が示されました。
論文のシニア著者であるアルパナ・チャーチ博士は、「脳の老化は年を取ってから突然始まるわけではなく、その生物学的なサインは数十年も前から捉えられるかもしれない」と話しています。
博士はまた、腸の状態に働きかけることで脳の健やかな老い方を支えられるかどうかを、今後探っていく道が開けたとも述べています。
ただし、今回の研究はある一時点のデータを比べたもので、腸内細菌が脳を老けさせると確かめたわけではありません。
腸の分析も1つのグループ(344人)だけで行われており、分かったのはあくまで「結びつき」です。
それでも、若い世代や働き盛りの世代で、脳の老け具合と腸の中身に関連が見えたことは、脳の老化を考えるうえで新しい手がかりになりそうです。
脳の年齢は頭の中だけで決まるものではなく、おなかの中ともどこかでつながっているのかもしれません。
「もっと頭を使え」と言われたら、これからは「おなかも使っています」と言い返してみてもいいかもしれません。





















