■仕事中や勉強中にどういった音楽をかけるべきか、あるいは音楽をかけない方がいいのかについては「個人の性格」によることが判明した
■「退屈感志向」が低い人物は外部刺激に敏感ではないため、複雑な音楽を聴くとほどよく集中力を高められる
■ 逆に「退屈感志向」が高い人物は外部刺激に敏感であるため、音のない環境のほうが集中力が高まる
あなたは仕事や勉強をしているとき、音楽をかけますか?
クラシックを聴くとIQが高まるといった「モーツァルト効果」と呼ばれるものもありますが、心理学においては、作業中に音楽をかけるべきか否かといった問題に対して明確な答えはありません。
そのあいまいな状況を打破すべく、研究者らが実験を実施。そこで出された結論は、「個人の性格による」といった身も蓋もないものでした。みなさんはどっちでしょうか?
More than meets the ear: Investigating how music affects cognitive task performance.
ポイントは「退屈感志向」という性格指標
研究では、142人の大学生(そのうち75%が女性)が集められ、2つのタスクを実施しました。簡単な方のタスクは、サンプルテキストの中からを「A」を見つけ出してそのすべてに線を引くといったもの。複雑な方のタスクは、2つの言葉のペアを覚え、片方を提示された際にもう一方思い出さなければならないといったものです。
被験者は、研究のために作曲された「歌詞のない平凡な音楽2バージョン」のうちどちらかを聴きながら、あるいは「音楽をかけず」にタスクを実施しました。2バージョンのうち1つは、ベースやドラムの音が目立つ複雑な音を奏でているものです。また、被験者の外部刺激に対する反応を確認するために、彼らの「退屈感志向」についても調査されています。
退屈感志向とは、人間の持つ「何かに関与したい」という欲望に反して、様々な理由で何にも集中できない不愉快な情動的状態を指します。たとえば退屈感傾向が高い人物は、何かに集中しづらく、注意が欠如している傾向があります。