■本日、小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星上での「人工クレーター」作成のためのSCI分離に成功
■今回のミッションの重要ポイントは、「SCI分離」「DCAM分離」「SCI動作」の3点
■現在、クレーター作成の様子を撮影している「DCAM」の映像を待っている段階であるとのこと
クレーター形成に成功の旨を追記
本日11時13分頃(日本時間)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウ上に「人工クレーター」を作成するためのインパクターの分離に成功したようです。
「人工クレーター」は、小惑星内部を露出させて中から出てきた物質を採取するという目的があるとのこと。前回のミッションで惑星表面にある物質採取には成功していたのですが、表面は太陽風などの影響で「日焼け」を起こしており、物質が変化していると考えられます。そのため、惑星内部の純粋な物質の状態を知ることが大変有益となるのです。
「人工クレーター」作成のプロセス
クレーター作成に際して重要なポイントは次の3点。第1に「SCIの分離」、第2に「DCAMの分離」、そして第3に「SCIの爆破動作」です。
「SCI(衝突装置=Small Carry-on Impactor)」は約2kgの銅製インパクターを搭載した人工クレーターを作る装置、「DCAM(分離カメラ=Deployable CAMera)」はインパクター爆破の様子を撮像する遠隔カメラです。
そして日本時間11時13分に、予定通りSCIの分離に成功。11時31分、爆破の様子を撮影するためのDCAMを分離。そして11時53分、SCIの爆破動作も完了している見込み。また「はやぶさ2」は、強力な爆破の影響を避けるための退避行動にも成功しているとのことです。
現在は、DCAMにより撮影されている映像が届くのを待っている状態で、ファンクションマネージャの櫛木賢一氏も「フォースとともにあらんことを」とミッションが無事に成功していることを祈りました。先程のヤマトといい、ライブ配信中も“May the force be with us!”という声が聞こえましたし、さすが宇宙作品ネタが飛び交いますね〜。
実際の映像が管制チームに届くまでには時間がかかるようで、続報が待たれています。うまくいけば本日5日の夕方頃になるとのこと。
今後、映像を確認してすべて順調に進めば、「はやぶさ2」はおよそ2週間をかけて本ポジションに戻り、小惑星物質の採取に取り掛かります。
【追記 3.5 17:50】