身体的健康だけでなく、精神的健康も重要視しているオーストラリア。あるシドニーの通りで、「感情を売る」自動販売機があらわれました。
この自販機では、コインを入れれば誰でもたった2、3ドルで勇気、友情、人付き合いの良さ、想像力、自信、自発性、くつろぎ、そして目的さえも少し手に入れることができるのだとか。
パッケージの中には、指定した感情に影響を与える商品が隠されています。例えば助言の書かれたカード、また折り紙で出来た星や、地図、鉛筆などです。
それでは、なぜこんな自販機が設置されたのでしょうか。
ことの発端は、シドニーで行われた「形のない商品(Intangible Goods)」という芸術プロジェクト。芸術家のエリザベス・コマンドールさんとマーク・スターマックさんは、メンタルヘルスの専門家と協力して、人々に人生に欠けているものが何かのアンケート調査を実施しました。その結果は次のとおり。
- 他者との緊密な関係
- 目的
- 体系立った思考
- 勇気
- 自発性
- やすらぎ
- 確信
- 話を聞いてくれる誰か
- 人間性を信じること
- 忍耐
結局人々が必要だと思っていることは、物やお金よりも、形のないものだったのです。現代社会では、物質的に必要なものは概ね手に入りますが、一方で、感情的、そして心理学的な生活はますます満たされなくなっています。
彼らはこのアンケートの反応を元にして、自動販売機で売れる形での「商品」を開発し、誰でも買うことができるようにしました。
これらの商品は、選んだものに応じて異なる感情的な反応を引き起こすようにデザインされています。「この楽しく相互的な芸術作品で、人々が心のなかにもっと必要としていることについて話し、重要な原因への気づきを増やすことで、思いもよらなかった方法を見つけることを望んでいます」と、コマンドールさんは言います。
メンタルヘルスに関わる気づきを起こすことは、健康で協力的な共同体を作るためには不可欠なのでしょう。
via: guardian,dailymail / translated & text by Nazology staff
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