上位7%の上級者と下位45%の初心者で実験
実験には中国の電子科技大学の学生38名が参加しました。そのうち半分の学生はリーグ・オブ・レジェンドのプレイヤーランキング上位7%に入る学生で、残りは下位45%以下の初心者の学生でした。
彼らはゲームを楽しんだ後、スクリーンの前に座らされ、0.1秒間隔で表示されるアルファベットを見続けました。
そのとき「D」や「M」など、あらかじめ指定されたターゲットが見えたら、手に持ったボタンを押すよう指示されました。
また、彼らの頭には脳波電極が装着され、脳が物事を認識した際に出される脳波を正確に記録しました。
実験の前段階で、一般的に人は1つ目の「D」を認識してから、次の「M」を認識するまで、0.2〜0.5秒以上の時間が空いていないと「認識の見逃し」(まばたき)が起こると分かっています。
この原因は「Dが見えた」と認識することに脳が全力を注ぎ、「M」を見るための認識力が残されていないからだと考えられています。
実験の記録から、リーグ・オブ・レジェンドの上位プレイヤーの学生の方が、初心者の学生よりも「認識の見逃し」を起こす回数が少ないと分かりました。
上位プレイヤーは見逃しをせず、初心者よりも正確かつ迅速にターゲットを見つけ、反応していました。
研究者によると、この結果はRTSゲームの長期的な経験が、見た物の情報を瞬時に理解する能力の改善に役立つことを示唆しているそうです。
何かとプレイを制限されるゲームですが、RTSゲームをすることによって本を読むスピードが上がったり、散らかった部屋から探しものを見つけ出しやすくなるかもしれませんね。
この研究の詳細は、2020年4月10日付けで「frontiers in Human Neuroscience」に掲載されました。