宇宙から地球を撮影した画像は、通常軌道上から撮影しているので、似たような距離と角度の場合がほとんどです。
しかし、今回はちょっと変わった位置から地球をみた映像が公開されました。
日欧共同水星探査機「ベピコロンボ(BepiColombo)」は、地球スイングバイで水星へ旅立つ際に、離れた場所から地球へ接近して通り過ぎる様子の映像を撮影しています。
宇宙を旅しながら眺める地球の姿は、普段とは違った魅力を伝えてくれるものです。
さらば地球よ
この画像は、日欧水星探査機ベピコロンボがスイングバイ前に地球へ接近している様子を撮影したものです。
2020年4月9日の11時25分(UTC)から21時04分(UTC)までを、10分間隔で撮影していて、このときのベピコロンボの速度は時速10万km以上です。
この映像の間だけで、探査機と地球の距離は28万2千kmから12万8千kmまで減少しています。
モノクロとは言え、徐々に近づく地球の姿は、見慣れた地球の映像とはまた違った美しさがあります。
こちらは地球へ最接近して通り過ぎる際の映像。
時刻は2020年4月10日の03時03分(UTC)から04時15分(UTC)の間で、数分間隔で撮影しています。地球との距離は12,689kmです。
最後は、探査機が地球に最後の別れを告げて離れていく様子。
4月10日17時13分(UTC)から2020年4月11日13時19分(UTC)を10分間隔で撮影しています。地球との距離は約21万8千kmから52万4千kmまで離れて行きます。
もっとも離れた最後のところでソーラーパネル先端の上辺りに、とても小さく月も映っています。おわかりいただけただろうか。