独自の進化ルートをたどっていた
さらに、A.huiは、大陸にいた哺乳動物とはまったく異なる、独自の進化ルートをたどっています。
A.huiが生息したマダガスカルは、もともとゴンドワナ大陸という超大陸に属していました。
ゴンドワナ大陸は、約1億8000万年前に分裂を開始し、7000万年前に、インド・南米・オーストラリア・アフリカ・マダガスカル・南極へと分かれたのです。
この大きな動きの中、マダガスカルは、約8800万年前にインド亜大陸から分裂し、今日見られる孤島として独立しました。
そして、A.huiがマダガスカルに誕生したのはそれからさらに2000万年ほど後です。
つまりA.huiは、始まりから隔離された世界の中に生まれ、大陸の哺乳類とは異なる進化線に入ったのです。