- アンデスコンドルを調査した結果、飛行時間の1%程度しか羽ばたくことがなかった
- 羽ばたきは主に離陸時だけ行われ、翼を動かさずに170km以上の飛行も確認された
- 巨大な鳥が滑空を利用することは知られているが、ここまで羽ばたかないのは想定外だ
世の中には大きくなりすぎて飛べない鳥もいますが、巨大化しながらも飛行している鳥も数多く存在します。
そんな巨鳥の1種がアンデスコンドルです。この鳥は最大で体重が約15キログラム、翼を広げたときの幅は3メートルにもなります。
こうした巨大な鳥は、主に滑空を利用して飛んでいることが知られています。
しかし、その巨大な体重を空中で支えるためには、ある程度羽ばたく必要もあると考えられていました。
彼らが巨大な翼を羽ばたくためには、とても大きなエネルギーが必要です。一体彼らは上空でどの程度羽ばたいているのでしょうか?
新たな研究は、コンドルにデバイスを取り付け彼らの羽ばたく頻度を調査しました。すると、まったく羽ばたいていなかったことがわかったのです。
翼を動かさずに飛び続けるコンドル
調査が行われたのは8羽の子供のコンドルです。彼らにデバイスを取り付け、毎日の飛行時間と、その間の羽ばたきの様子が記録されました。
この調査で記録された飛行時間は230時間以上に及びますが、その間で羽ばたきが検出された時間はたったの1%程度のものでした。
しかも、この羽ばたきはほとんどが離陸のために行われたもので、上空で彼らが羽ばたくことはほぼなかったのです。
成鳥でない若いコンドルが、これだけ羽ばたかずに飛んでいるという事実は驚くべきものだと研究者は語っています。
それは比較的飛行経験の浅いコンドルでさえ、羽ばたきを最小限に抑えて飛ぶ必要に迫られているということです。
この研究では、若いコンドルが5時間以上もの間一度も羽ばたくことなく、気流だけを利用して170キロメートル以上も飛行したという記録も確認しました。
同業の研究者も、こうした調査結果に「彼らが基本的に翼を羽ばたかせるのは舞い上がるときだけというのは、驚くべき発見だ」と語っています。