建物の窓と従来のソーラーパネル
高層ビルには非常にたくさんの窓ガラスが利用されています。そしてこれらの窓ガラスには通常、光を反射・吸収するコーティングが施されており、建物内に眩しい光や過剰な熱が入ってこないよう設計されているのです。
窓のテクノロジーはとても有用ですが、研究者チームはそれによって「捨てられている光エネルギー」を建物の電力供給に利用できないかと考えました。
そのための有効手段となるのは、現在世界中で活用されている「ソーラーパネル」でしょう。
しかし、ソーラーパネルを窓として利用するには問題がありました。なぜなら、現在一般的かつ最も電力変換効率の高いシリコン系ソーラーパネルは透明ではないからです。
私たちがよく目にする住宅用ソーラーパネルのほとんどがシリコン系であり、その電力変換効率は13~20%と高効率ですが、窓には使用できません。
そこで研究者たちは、シリコン系ではなく有機系(炭素ベース)を利用したソーラーパネルに注目しました。
素材を変えることで、透明かつ高効率なソーラーパネルの開発に成功したのです。