双子の近くに「3人目」も発見!
クレムス=ヴァハトベルク遺跡は、旧石器時代の後期(約5万年前〜)に建造されたもので、3〜4万年前には狩猟採集民の滞在地にもなっていました。
双子の遺骨は、遺跡内に見つかった楕円型の墓穴に埋葬されており、ともに頭が北向きで、顔が東向きになるよう安置されています。
冥土の土産でもある「副葬品」も見つかっており、左側(冒頭画像)の乳児には、骨盤のあたりに象牙でつくられた首飾りのようなものが置かれていました。
ビーズ状の象牙が53個あり、すべてに穴が開いていたことから、ヒモで通していたようです。
右側の乳児には、貝殻からなるネックレスとキツネの歯が複数見つかりました。
キツネの歯は装飾品のかたちを留めていませんが、何らかの飾りだったと思われます。
また、双子の埋葬地のすぐ近くに3人目の乳児の遺骨も見つかりました。調査では、双子の従兄弟と考えられています。
双子の墓は土で埋め戻されてはおらず、代わりにマンモスの肩甲骨を墓穴の形に整形して、フタのように閉じていました。しかし、それが遺骨の保存状態を高めていたようです。
その一方で、3人目の乳児は土で埋め直され、骨の状態も双子と比べて劣化していました。