授乳していることが明らかになった線虫(c.elegans)
授乳していることが明らかになった線虫(c.elegans) / Credit:Erik Londquist
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小さな「線虫」は子供たちに授乳していると判明

2020.11.29 Sunday

線虫が授乳していたようです。

11月15日に『bioRxiv』に投稿された論文によれば、線虫(C.elegans)として知られるミミズ型の小さなワームが、体から一種の「ミルク」を分泌させ、子孫の成長を補助している様子が確認できたとのこと。

線虫は生物学の分野において、マウスやショウジョウバエに並ぶ代表的なモデル生物として世界中で研究対象となっていましたが、授乳が確認されたのは今回が初めてとなります。

線虫たちは、いったいどんな仕組みで体外に栄養素を放出していたのでしょうか?

>参照元はこちら(英文)

massivesci https://massivesci.com/notes/nematodes-elegans-yolk-reproduction-worm-milk-lactation/

最も理解が進んだ生物に隠されていた秘密

線虫は全ての細胞の起源と系譜が判明している
線虫は全ての細胞の起源と系譜が判明している / Credit:東北大学

線虫は生物学の分野において、多細胞生物のモデルとして古くから研究されており、最も理解が進んでいる生物の一つとして考えられてきました。

例えば、線虫の体は1000個あまりの細胞で作られているのですが、その1つ1つが、いつ、どこから分裂して、どのような経緯でそこに配置されるのかが完璧に解明されています。

体を構成する1つ1つの細胞の系譜が、全て明らかになっている多細胞生物は線虫を置いて他にはいません。

そんな人類が最も理解していると確信していた線虫ですが、今回の研究によって、さらなる事実が明らかになりました。

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