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狂気の「インスタント安楽死マシン」をフリー配布するとんでもない計画が発表される (2/3)

2018.04.16 Monday

前ページいつでもどこでも……? 安楽死マシンがフリーのオープンソースで配布予定

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平和的死か、生命の尊重か

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ニチケ氏

ニチケ氏は以前、人道的な自殺の詳しい方法の本を出版しています。この本によると、「自らの命を絶とうと望む人たちは現在薬を使いますが、それは入手が難しく違法です。またビニール袋に入れたガスの吸入など他の方法も使われますが、この方法だと人々は中々死ぬことができません」

そのような従来の方法に比べ、サルコは「平和的で、むしろ優雅な死ともいえるもの」を提供する、とニシュケ氏は語ります。

そんな物議を醸しているサルコですが、さすがに誰でも手に入るわけではないようです。

カプセルを得るための4桁のコードを得るために、利用者はオンラインの心理テストをすべて答えなければなりません。心理的に責任能力があることを証明するためです。ただ一度中にはいってしまえば、ボタンをクリックすることで機械を起動できます。また、音声でも、麻痺患者であれば一連のまばたきでも起動できます。

利用者がマシンを起動すると、液体窒素がマシン内を満たし、酸素が低下します。すると数分のうちに、安らかな死が訪れる仕組みです。台は再使用可能ですが、人が死を迎えたカプセルは、微生物が分解し無害化される棺桶となります。

「サルコは違法な薬は使っておらず、静脈注射の挿入などの特別な専門知識も必要ありません」と博士は説明しています。

前述したテストに合格した人なら誰でも合法的に、自身で生を終わらせることができます。彼はその体験を、「飛行機の中の減圧よりも苦痛が少ない」と表現しています。

「重要なことは、自殺幇助が世界中でいまだ違法である時代に、愛する人を逮捕の危険にさらすことなく、自分たちの人生を合法的に終わらせることができるということです」と博士は述べています。

日本での安楽死は法律で認められていないので、このようなマシンはもちろん違法になるでしょう。しかし日本人の7割以上は、安楽死に賛成しているというデータもあります。

世界で初めて安楽死法を定めたオランダや、またアメリカでも一部の州は安楽死が認められています。特にオランダでは車椅子での転倒や、認知症への不安などの理由でも安楽死が認められ、安楽死先進国といわれています。しかし、人間の意思で生命を終わらせることにはやはり根強い抵抗があり、このような発明が「安易な死」につながってしまう可能性もあるでしょう。

安楽死に対する議論の成熟が待たれます。

次ページサルコが見本市で話題に!「VR安楽死」体験版も…(2018.04.16 追記)

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