生物を支配するミトコンドリア
ミトコンドリアは、生物の細胞内にある小さなエネルギー工場です。細胞活動に必要となるエネルギーはほとんどが、このミトコンドリアによって供給されています。
そんな細胞の1器官として働いているミトコンドリアですが、生物の細胞核とは別に独自の遺伝子を持っています。
研究によるとミトコンドリア遺伝子は、老化やヒトのがん、代謝や筋肉、神経疾患にも関与していると言われています。
完全な共生関係を築いているとはいえ、独自の遺伝子を持つミトコンドリアが、これだけ生命の重要部分を握っているというのは驚くべきことです。
そのため、1995年には東北大学の研究者だった瀬名秀明氏が、ミトコンドリアが反乱を起こすという内容のホラー小説を発表し話題になったことがあります。
この『パラサイト・イヴ』という作品は、映画化さらにはゲーム化までされて一大ブームとなったので、この作品でミトコンドリアの名前を記憶したという人も多いかもしれません。
ミトコンドリア遺伝子は、独自の遺伝子でありながら、生物それ自体の遺伝子と同じくらい非常に重要な存在です。
通常、ミトコンドリア遺伝子は母親のものが受け継がれます。そのため、生物はミトコンドリア遺伝子を1つしか持っていません。
しかし、ムカシトカゲは驚いたことに、このミトコンドリア遺伝子を2つ持っているというのです。