大人は若いころに聴いた曲を好む
大人は若いころに聴いた曲を好む / Credit:Depositphotos
psychology

若い頃に聞いた曲をずっと好む理由が解明される

2021.02.18 Thursday

「若いころに聞いた曲が今でも大好きだ」という人は多いでしょう。

自分が思春期だったときの「〇〇年代ヒットチャート特集」が取り上げられるとワクワクして聴き入ってしまうかもしれません。

イギリス・ダラム大学音楽部に所属するケリー・ジャクボウスキー氏ら研究チームは、比較的最近の研究で、大人が若いころに聞いた曲を好むのは、「その音楽が当時のポジティブな記憶と絡み合っているから」だと発表しました。

詳細は、2020年10月23日付けの学術誌『Music and Science』に掲載されています。

Why We’re Obsessed With Music From Our Youth https://neurosciencenews.com/music-youth-17765/
A Cross-Sectional Study of Reminiscence Bumps for Music-Related Memories in Adulthood https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/2059204320965058

大人は思春期のころに聴いた曲を好むという調査結果

思春期のころに聴いた曲は親しみやすく過去を思い出させる
思春期のころに聴いた曲は親しみやすく過去を思い出させる / Credit:Depositphotos

研究チームは、曲の好みと年代の関係性を知るために、18~82歳までの470人の成人が好む楽曲を調査しました。

参加者は、65年間(1950~2015年)にわたってヒットチャートに登場した111のポップソングから自分が好きな曲を選び、その曲を3つの要素で評価しました。

評価された要素とは、①どれほど過去の記憶を呼び起こしたか ②曲への親しみやすさ ③曲に対する好みの程度 です。

そして調査の結果、全体として、参加者が思春期のときにヒットチャートにあった曲は①と②の評価が高いと判明。

つまり思春期に聴いた曲は、いつまでたっても親しみやすく、懐かしい気持ちにさせる効果があったのです。

ちなみに、過去を思い出す効果が最も強かったのは、14歳ごろに聴いた曲だったとのこと。

さらに40歳以上の人は、③好みの程度 においても、他の曲よりも思春期の曲を高く評価しました。

しかし比較的若い年代である18~40歳においては、思春期の曲を好む傾向はそこまで強くありませんでした。場合によっては生まれる前にリリースされた曲の方が、評価が高いこともあったのです。

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