一般相対性理論と量子力学の統一
重力は誰もが体感している自然の力です。そしてその力は物体の質量と距離に関係しています。
例えば、地球上ではすべての物体は同じ加速度で自由落下します。
膨大な質量をもつブラックホールになると、その重力は非常に大きく周囲の光さえ閉じ込めてしまうほどです。
また地球の約80倍軽い月では重力も小さくなり、物体の落下速度は6倍遅くなります。
現在これらの重力作用は一般相対性理論で説明されます。その理論では質量が小さくなればなるほど、重力も小さくなるのです。
ところが極小の世界、量子レベルになると一般相対性理論は成り立たず、量子力学によってのみ説明できるようになります。
つまり現在の科学者たちは、大きな物体には一般相対性理論を当てはめ、小さな物体には量子力学を当てはめているのです。
2つの理論を一緒に考えようとしてもうまくいきません。
大きさが異なるだけで当てはまる理論が違ってくるというのは、なんとも不思議な話です。
そのため科学者たちは、一般相対性理論と量子力学を統一する新たな理論を見つけようとしてきました。