「実践編」記憶の宮殿を使った記憶法
ここでは以下の5つの単語を記憶する場合を例に説明します。
もちろん、今は覚える必要はありません。
関連性のない単語の羅列であることを確認するだけで大丈夫です。
◎ 空き缶
◎ 鶏肉
◎ ひまわり
◎ スマートフォン
◎ やかん
通常、私たちの脳は、このような関連性のない単語を覚えるのは苦手です。
一時的に覚えられたとしても、短ければ数分~1日で完全に忘れてしまいます。
ですが「記憶の宮殿」を使った記憶術は、私たちの記憶に革命をもたらしてくれます。
それでは実際に記憶の宮殿を使った記憶を試してみましょう。
「記憶の宮殿」をおこなうにあたって最も重要なステップは、文字通り自分の頭の中に架空の宮殿を設定することにあります。
といっても、中世ヨーロッパやアラブの宮殿である必要はなく、自分にとって最も馴染み深い場所…例えば自宅の玄関から続く廊下や階段、自室で大丈夫です。
ただし1つだけ重要な点があり、思い描く場所のイメージは鮮明かつ具体的でなければなりません。
自分にとって細部までイメージしやすい空間を構築します。
詳細にイメージできた場所が、あなたにとっての「記憶の宮殿」になります。
宮殿のイメージが完成すれば、いよいよ実戦です。
あなたは記憶の宮殿の入口から出口に向かって歩きつつ、上にならべられた5つの物体のリストをチラチラ見ながら順にイメージし、宮殿内に配置していきます。
配置する時には意識を宮殿に向けるために、目を閉じてください。
また、歩くルートは可能な限り単純にするのがコツです。
つまり廊下ならば一直線上に置いてゆき、自室ならば一回りするように置いていきます。
また可能ならば配置するときの向きや場所、状態もイメージしてください。
5つ全て置き終わったら、いよいよテストです。
あなたは目を閉じたまま宮殿の入口に戻り、最初に歩いたコースを辿るようにして5つの物体を思いだしていきます。
どうでしょうか、5つ全て覚えていられたでしょうか?
実際の研究に参加した一般人たちは、専門のトレーナーから、より本格的な「記憶の宮殿」のトレーニングを6週間にわたり受講しました。
結果、彼らの記憶力に奇跡が起こります。