記憶力チャンピオンが使う「記憶の宮殿」の科学的有効性が証明!
記憶力を競うアスリートたちは、膨大な量の単語や数字を限られた時間で覚えなければなりません。
そこで記憶力アスリートたちの多くは自分好みにカスタマイズされた「記憶術」を使用します。
例えばあるアスリートは、両手両足に番号を振り分け、何百ケタにも及ぶ数字の暗算をダンスの振り付けとして記憶します。
また別のアスリートは、数字を語呂にして単語を生成し、ストーリーに組み込むことで記憶します。
ダンスや脳内ストーリーは一見すると共通点に乏しいように思えますが、両者とも「分割」と「流れ」が存在するのです。
記憶アスリートたちは無味乾燥な数字の羅列を振り付けや物語の起伏としてパッケージングすることで分割管理し、そして全体に及ぶ流れに再配置することで復元します。
この分割と再配置はあらゆる記憶術の基本となっている核心的な要素です。
ですが、知識の分割と再配置は、記憶アスリートでない一般人であっても、多かれ少なかれ日常生活の中でおこなっています。
そこでウィーン大学のワーグナー氏らは、一般人であってもプロが使うような本格的な記憶術を体得すること自体は可能だと考え、科学的に証明しようと試みました。
もし予測が正しければ、記憶アスリート並みとはいかないものの、一般人の記憶力を劇的に増加させられるはずです。
しかし記憶術が複雑すぎれば離脱者が続出して実験は失敗するでしょう。
そこで研究者たちは最も基本的な「記憶の宮殿」と呼ばれる技法を、一般参加者に試してもらうことにしました。
結果、実験に参加した一般人たちの記憶力の劇的な増加が確認されます。
それではその具体的な方法を見ていきましょう!