高さ1500メートルの津波
メガリップルの分析からは、チクシュルーブ衝突体の落下が起こした衝撃は、マグニチュード11を超え、発生した津波の高さは1500メートルを超えていたことが明らかとなりました。1500メートルというと、大抵の山は山頂まで飲み込んでしまうような大津波です。
富士山でさえ、その半分近くが海に沈んでしまうことになります。
小惑星の落下によって起きる津波は、映画「ディープインパクト」などで都市覆い隠すような猛烈な波として画かれています。
東日本大震災では、現実の津波はこれまでのイメージと異なり、波というよりは海面上昇と呼ぶべき現象だということを知りました。
しかし、小惑星衝突による津波は、本当に山のような波が押し寄せてすべてを飲み込むような、まさに映画に描かれるような大惨事だった可能性があります。
この津波は、メキシコ湾内で何度も反射しながら次第に振幅を狭め、数日に渡って続いただろうと研究チームは予想しています。
これはその後に起きた、地球全体を包む壊滅的な時代の始まりに過ぎませんが、なんとも恐ろしい出来事であったことが想像できます。