日本が世界最速のインターネット通信速度を達成
日本が世界最速のインターネット通信速度を達成 / Credit:Depositphotos
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「4コア光ファイバ」を使い日本がインターネット通信速度で世界記録を更新

2021.07.16 Friday

最近、日本の情報通信研究機構(NICT)がインターネット通信速度の世界記録を更新しました。

3001kmの距離を319テラビット/秒(Tb/s)でデータ伝送することに成功したのです。

研究の詳細は、6月11日に開催された光通信技術に関する世界最大の国際会議OFC2021(Optical Fiber Communication Conference & Exposition)で発表されました。

Japan Has Shattered the Internet Speed Record at 319 Terabits per Second https://interestingengineering.com/japan-shattered-internet-speed-record-319-terabits?utm_source=rss&utm_medium=article&utm_content=14072021 世界記録更新、4コア光ファイバで毎秒319テラビット・3,001 km伝送達成 〜広帯域波長多重技術・光増幅方式を駆使した伝送システムを構築〜 https://www.nict.go.jp/press/2021/06/21-1.html
319 Tb/s Transmission Over 3001 km With S, C and L Band Signals Over >120nm Bandwidth in 125 μm Wide 4-Core Fiber https://www.ofcconference.org/en-us/home/schedule/?day=Friday#f3b.3

日本のインターネット最速インターネットが世界の通信インフラに革命を起こす!?

2020年8月、イギリスのロンドン大学(UCL)はKDDIなどと共同して、インターネット通信速度の世界記録である178Tb/sを達成しました。

これはNASAが利用している通信速度400ギガビット/秒(Gb/s)や、一般消費者が使用できる最大通信速度10Gb/sをはるかに超えた数値となっています。

世界最速319Tb/sを達成
世界最速319Tb/sを達成 / Credit:NICT_世界記録更新、4コア光ファイバで毎秒319テラビット・3,001 km伝送達成〜広帯域波長多重技術・光増幅方式を駆使した伝送システムを構築〜(2021)

そして2021年6月、わずか1年ほどでその世界記録は大きく塗り替えられました。

NICTが約2倍にあたる通信速度319 Tb/sを達成したのです。

研究チームがこの成果を生み出すために使用したのは、「4コアファイバ」です。

コアとは光ファイバの中心部であり、光はここに閉じ込められた状態で伝送されます。

広く利用されている標準外径光ファイバのイメージ図
広く利用されている標準外径光ファイバのイメージ図 / Credit:NICT_世界記録更新、4コア光ファイバで毎秒319テラビット・3,001 km伝送達成〜広帯域波長多重技術・光増幅方式を駆使した伝送システムを構築〜(2021)

通常は1つのコアが利用されますが、今回の研究では最大速度を出すために4つのコアが用いられました。

信号を複数の波長に分解して同時に伝送することで、最大通信速度を向上させたのです。

使われてこなかったS帯を追加
使われてこなかったS帯を追加 / Credit:NICT_世界記録更新、4コア光ファイバで毎秒319テラビット・3,001 km伝送達成〜広帯域波長多重技術・光増幅方式を駆使した伝送システムを構築〜(2021)

さらにより多くのデータを伝送するため、これまでは使われていなかった第三の波長帯(S帯)を追加

S帯は「数十kmしか伝送できない」という問題がありましたが、今回、複数の光増幅技術を用いて長距離伝送を可能にしたとのこと。

これまでNICTが伝送実験を実施した主な標準外径光ファイバ
これまでNICTが伝送実験を実施した主な標準外径光ファイバ / Credit:NICT_世界記録更新、4コア光ファイバで毎秒319テラビット・3,001 km伝送達成〜広帯域波長多重技術・光増幅方式を駆使した伝送システムを構築〜(2021)

ちなみに4コア光ファイバは、従来の1コア光ファイバと同じ直径になります。

そのため既存のインフラに流用可能

現在のほとんどの設備は、比較的簡単に4コア光ファイバへの移行が可能であり、それは世界の通信インフラ革命につながります。

今後研究チームは、早期実用化を目指してさらなる研究を行う予定です。

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