陸上のレーンはどこが最速?
陸上のレーンはどこが最速? / Credit:Depositphotos
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陸上競技のレーンはどこがもっとも有利なのか?

2021.07.30 Friday

陸上競技は1周400mのトラックを利用します。

レーンによってカーブの曲線率が異なるため、コーナーを含む200m走や400m走ではすべてのレーンが同じ条件とは言えません

アメリカ・ミドルベリー大学(Middlebury College)経済学部のデビッド・マンロ助教は元短距離走の選手であり、「陸上のレーンはどこが最速なのか?」という疑問に回答しました。

8000人のランナーから導き出した結果は、「最速レーン神話」を覆すものだったようです。

Are middle lanes fastest in track and field? Data from 8,000 racers shows not so much https://theconversation.com/are-middle-lanes-fastest-in-track-and-field-data-from-8-000-racers-shows-not-so-much-162832

中央レーンの最速神話

中央のレーンが一番速くなる説
中央のレーンが一番速くなる説 / Credit:Depositphotos

一部の人々の間では、「中央のレーンが最速」だと考えられてきました。

陸上トラックは合計8~9レーンあるので、「3~6レーンが一番速く走れる」という考えがあるのです。

これは「中央のレーンが良い」というよりも、「内側と外側のレーンにはデメリットがある」という考えから来ています。

内側のレーンではカーブがきついため遅くなると考えられており、実際、研究によって実証されています。

外側のレーンが遅いと考えられている主な理由は、スタート位置の違いです。

各選手の走行距離を均等にするため、外側のレーンになるほどスタート位置が前方になります。

これにより外側の走者はレースの大半でライバルの姿を見ることがありません。

競争心が下がったり、集団と比較して自分のスピードを把握しづらくなったりすると考えられているのです。

ちなみに、実際のレースでは中央の走者が優勝することが多いです。

これは競技規則に基づいて、速いランナーが中央のレーンに配置されるからであり、中央レーンの最速神話の理論を支持するものではありません。

つまり最速のレーンに対する推測はあるものの、現状ではデータによる裏付けはないのです。

そこでマンロ氏は、ワールドアスレティックス(国際陸上競技連盟)の20年間の陸上競技データを使用して最速のレーンを導き出そうとしました。

次ページ統計的には外側のレーンが一番速かった!?

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