統計的には外側のレーンが一番速かった!?
陸上競技の決勝ではタイム順にレーンが決まることが多いですが、予選(第一レース)のレーン決めはランダムです。
そこでマンロ氏は予選だけのデータを使用することで、純粋なレーン差を比較しました。
約8000人分のレース結果を調査したところ、「中央が最速」という傾向はみられませんでした。
特に200m走においては、その結果が顕著に表れていたとのこと。
平均して8番レーンは2番レーンよりも約0.2秒速いという結果となりました。
外側のレーンにいくほどタイムが伸びやすかったのです。
これは世界記録が19.19秒であることを考えると、非常に大きな数値だと言えます。
この結果は、中央レーンの神話に含まれる「ライバルを目視できないとランナーは遅くなる」という考えを否定しているように思えます。
また400m走のタイムはばらつきが多く、「中央が最速である」という明確な証拠は得られませんでした。
つまりマンロ氏の調査によると、カーブのある短距離走においては、「中央よりも外側のレーンが有利」という結果が出ています。
これは「カーブが緩ければ緩いほど走りやすい」ということであり、生体力学的にも理にかなっているように思えます。
いずれにせよ、「中央レーンが最速」でない可能性は高いでしょう。
オリンピックで中央の選手が一番でゴールしたなら、それは紛れもなく本人の力量であり、手放しで賞賛できることなのです。