鳴鳥の歌は人間の発話と同じように脳で処理されている
鳴鳥の歌には種類があり、それは音節をどのような順序で歌うかによって区別されています。
研究チームは、人間の発話に関連する局所電位が、鳥の歌の特定の音節に変換できること、また歌の中で音節が発生するタイミングを予測できることを発見しました。
この研究のシステムからは、歌を構成する音節の順序変化を予測することができます。
例えば、鳥の鳴き声が「1、2、3、4」という音節の繰り返しで構成されていて、ときどき、その音節が「1、2、3、4、5」や「1、2、3」のように変わることがあるとします。
このような変化が、測定した局所電位の特徴から明らかにすることができるのです。
上の図で示されているのは、キンカチョウのオスが「1,2,3」という音節で構成される歌を歌いながら、次に歌う「4」という音節を考えている場合です。
このとき鳥の神経活動から抽出された局所電位からは、この次に歌おうと鳥が考えている「4」の音節の特徴を見つけることができ、彼らが発声せずとも、彼らの歌おうとしている内容を予測できるのです。
人間は1つの文を何度も繰り返すわけではないので、脳波の特徴から発声内容の変化を検証することは困難です。
そのため、決められた音節を繰り返す鳴鳥を利用した今回の研究は、重要な意味を持っており、非常に興味深い結果です。
これは、将来、声を失った人が発生せずに機械が代わりにしゃべってくれるような、ブレイン・コンピュータ・インターフェースを開発するために役立っていくでしょう。