箱を3つにすると正解できなくなる
ファブリシアス氏ら研究チームは、「通説だった4歳の段階では、まだ心の理論を獲得できていない」と述べています。
そのことが今回、マキシ課題の箱を1つ増やす実験で証明されました。
マキシ課題【改良版】
- 青い箱、緑の箱、赤い箱がある
- マキシは青い箱にチョコレートを入れ、その場から離れる
- 母親が現れる
- 母親はマキシに気づかれないように、チョコレートを青い箱から緑の箱に移し、その場から離れる
- マキシが戻ってきて、チョコレートを探そうとする
子供への質問:マキシは青、緑、赤のうち、どの箱を探すか?
通説に当てはめると、4歳以上の子供であれば、「青」と答えるはずです。
ところが実際には、4~5歳の子供は、50%の確率で「青」と答え、もう50%の確率で「赤」と答えました。
ファブリシアス氏は、この結果を次のように解説しています。
「箱が2つしかない場合、4~5歳の子供は、マキシの考えをしっかりと理解していなくても、正解できます。
しかし、3つ目の箱を追加すると、緑以外の2つの箱からランダムに答えます。
これにより、子供が当てずっぽうで答えているのが明らかになりました。
そのため、従来のマキシ課題は、心の理論の有無を判断するものではなかったと分かります」
では、どうして心の理論を持っていない子供たちは、このような間違いに至ったのでしょうか?