光ファイバーになる繊維
新たに誕生した複合繊維について、チームは分析を行いました。
するとミノムシの糸が持つ強度を保ちながら、通常のポリアニリンと同程度の電気伝導性や磁性を併せ持つことがわかりました。
しかし、この繊維の特性はそれだけではなかったのです。
ミノムシの糸には光学活性という性質があり、ポリアニリンにはそれがありませんでした。
これに繊維の断面中央から緑色のレーザーを照射したところ、繊維に沿ってレーザー光が進むという、まるで光ファイバーのような光導波路としての性質を持っていたのです。
さらにこの繊維には、電圧を加えると、その上昇に伴って電極間の電流を大きくするという、電圧で電流制御が可能な繊維型トランジスタとしの機能も明らかになったのです。
強度や性質において非常に魅力あふれる新しい複合繊維が誕生しました。
チームは今後、この繊維を使って、布やケーブルの作成を予定しているとのこと。
将来的には、この複合繊維を活用して、神経をモデルにした信号伝達の可能性も考えられるそうです。
これからはミノムシの時代かもしれません。