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トリケラトプスの巨大な鼻は脳の冷却に役立っていた可能性 / Credit:多田 誠之郎ら(東京大学), The Anatomical Record(2026), CC BY 4.0
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トリケラトプスの巨大な鼻は「脳のラジエーター」として機能していた

2026.02.19 11:30:14 Thursday

トリケラトプスの化石を見ると、その頭の大きさに驚かされます。

3本の角と大きなフリルが目を引きますが、鼻の部分もまた、極端に大きく発達していることに気づきます。

東京大学の研究グループは、トリケラトプスを含む植物食恐竜のグループ「角竜類」において、化石には直接残らない鼻の軟組織の配置や発達の程度を初めて包括的に推定しました。

その結果、巨大な鼻が「脳のラジエーター」として機能していた可能性を示しました。

本研究は、2026年2月7日付の『The Anatomical Record』に掲載されています。

Why Triceratops has such a big nose https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/en/press/z0508_00442.html トリケラトプスの鼻の解剖学――化石に残らない鼻の器官を角竜類で初めて包括的に推定―― https://www.um.u-tokyo.ac.jp/research/umutnews/20260216.html Triceratops Had a Giant Nose Because It Worked Like a Radiator for Its Brain https://www.zmescience.com/science/paleontology/triceratops-huge-nose-radiator/
Nasal soft-tissue anatomy of Triceratops and other horned dinosaurs https://doi.org/10.1002/ar.70150

トリケラトプスの巨大な鼻の「中身」を探る

トリケラトプスに代表される角竜類は、白亜紀後期に繁栄した恐竜のグループで、非常に大きく特殊化した頭骨を持っています。

これまでの研究では、後頭部から広がるフリルや角の役割については多くの議論がなされてきました。

しかし顕著な特徴の1つである鼻の領域については、解剖学的な理解が十分に進んでいません。

その理由の1つは、角竜類の鼻が極端に特殊化しており、他の恐竜類との単純な比較が難しかったためです。

また、鼻の内部にある神経や血管、腺などの軟組織は化石として残らないため、その存在や配置を直接確認することもできません。

そこで研究チームは、角竜類の化石を網羅的に観察するとともに、トリケラトプスの前上顎骨についてCTスキャン撮影を行い、骨内部の細かな管や溝を3次元的に解析しました。

これらの構造は、かつて神経や血管が通っていた痕跡であると考えられます。

さらに、現生の鳥類やワニ類といった爬虫類との詳細な比較を行い、骨に残る痕跡から軟組織の存在や配置を推定しました。

その結果、角竜類、とくにトリケラトプスなどの派生的な系統において、他の爬虫類とは異なる固有の神経血管パターンが存在していた可能性が明らかになりました。

また、これまで有無がはっきりしていなかった鼻腺や鼻涙管など、鼻に備わる一通りの器官についても、その存在や配置が推定されました。

さらに、鼻腔内に呼吸鼻甲介と呼ばれる構造を持っていた可能性も示されました。

では、こうした構造はどのような役割を果たしていたのでしょうか。 その機能的な意味について、次項で詳しく見ていきます。

次ページ巨大な鼻は「頭部の温度を調整」するのに役立っていた可能性

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