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トリケラトプスの巨大な鼻は脳の冷却に役立っていた可能性 / Credit:多田 誠之郎ら(東京大学), The Anatomical Record(2026), CC BY 4.0
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トリケラトプスの巨大な鼻は「脳のラジエーター」として機能していた (2/2)

2026.02.19 11:30:14 Thursday

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巨大な鼻は「頭部の温度を調整」するのに役立っていた可能性

角竜類は、陸上の脊椎動物の中でも特に大きな頭部を持つグループでした。

分厚い骨で囲まれた巨大な頭は、これまでの研究で防御や種内での誇示に使われた可能性が指摘されてきましたが、一方で熱がこもりやすい構造でもあったと考えられます。

とくに脳のような神経組織は温度変化に敏感であるため、大きな頭部の温度を適切に調整する仕組みが必要になります。

本研究では、鼻の内部に発達した神経血管系が存在していたことが示されました。

血管が豊富であれば、血液が鼻腔内を通る際に外気との間で熱のやり取りを行うことができます。

さらに、呼吸鼻甲介(鼻の中にあるひだ状の構造)が存在していたとすれば、鼻腔内の表面積は大きく増え、空気と血液との間の熱交換がより効率的に行われた可能性があります。

研究チームは、こうした構造が角竜類の大きな頭部の温度を調整するのに役立っていた可能性を指摘しています。

つまり、トリケラトプスの巨大な鼻は、熱を逃がして頭や脳を守るラジエーターのような役割を果たしていたのかもしれません。

ちなみに、神経血管系のパターンについては、派生的な角竜類において頭骨の変形に伴って変化し、眼神経血管束が鼻孔周辺や吻端に優位に分布するという固有の特徴が見られました。

ただし、これらはあくまで骨に残る痕跡と現生動物との比較から導かれた仮説であり、「必ずそうだった」と断定しているわけではありません。

それでも今回の研究は、これまで他の恐竜類と比べて大きく不足していた角竜類の吻部についての基礎的な解剖学的情報を提供するものとなりました。

化石に残らない部分まで復元することで、私たちは恐竜の姿をより鮮明に理解できるようになったのです。

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