全長4.4ミリの極小ロボットに5つの機能を持たせることに成功
体を大きく切らずに治療する「低侵襲手術」は、患者の負担を減らせる方法として広く使われています。
しかし、体内には細く曲がった通路や、柔らかくて滑りやすい組織が多くあります。
こうした場所に届くには、従来の大きな手術器具では限界があります。
そこで近年注目されているのが、外部から磁場をかけて動かす小型ロボットです。
ロボットは体の外にある磁気コイルから弱い磁場を受けて動くため、将来的には狭い場所での治療に役立つ可能性があります。
ただ、これまでの磁気ロボットには大きな課題がありました。
多くは「薬を運ぶ」「組織をつかむ」など、1つか2つの機能に特化していたのです。
その理由は、磁場をかけるとロボット全体が一緒に反応しやすいためです。
たとえば、刃の部分だけを出したいのに、ロボット全体が同じ方向に動いてしまえば、細かい処置はできません。
NTUの研究チームは、この問題を解決するため、ロボットの中心に特殊な磁気モジュールを組み込みました。
このモジュールは、磁化(磁石化)、消磁(磁力を消すこと)、そして異なる方向への再磁化が可能です。
つまり、ロボット内部の「磁石の向き」を必要に応じて書き換えられる仕組みになっています。
それぞれの磁気の向きは異なる機能に対応しており、ある向きでは組織を切断する刃が作動し、別の向きでは組織をつかむ機構が働く、といった具合に機能が切り替わります。
さらに、ロボット内の各部分が磁場に対して異なる反応を示すよう設計されているため、同じロボットでありながら、必要な部分だけを選択的に動かせます。
同じ磁場をかけても、一部だけが形を変えて道具を起動し、他の部分はそのまま保たれるのです。
これにより、研究チームは、4.4ミリのロボットに、移動、切断、薬剤放出、組織採取、局所加熱という5つの機能を持たせることに成功しました。
小さな体の中で5つの異なる機能を切り替えて使えるのです。
では、この「5-in-1」の仕組みは、実際にどこまで働いたのでしょうか。





























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