理由1「宇宙があまりにも広すぎる」

まず大きな壁になるのが、距離です。
太陽に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリでさえ、地球から約4.3光年も離れています。
これは距離にして約40兆キロメートルです。
太陽と地球の距離の26万8000倍にもなります。
私たちの感覚では「隣の星」と呼びたくなる場所でさえ、実際には想像を超えるほど遠いのです。
現在、人類が作った最速級の探査機であるパーカー・ソーラー・プローブは、最高速度で秒速およそ191キロメートルに達します。
これは非常に速いように聞こえますが、光速のわずか0.064%ほどです。
この速度でプロキシマ・ケンタウリを目指した場合、到着までに約6650年かかります。
つまり、今の人類の技術では、もっとも近い恒星系に向かうだけでも、文明の歴史に匹敵する時間が必要になるのです。
では、もし高度な宇宙文明が光速に近い速度で移動できたらどうでしょうか。
ここで問題になるのが、アインシュタインの相対性理論です。
高速で移動する宇宙船の中では、外の世界より時間の進み方が遅くなります。
これは「時間の遅れ」と呼ばれる現象です。
たとえば、NASAの宇宙飛行士スコット・ケリー氏は、国際宇宙ステーション(ISS)で約1年を過ごした後、地上にいた一卵性双生児の兄弟よりも、ほんのわずかに若くなったとされています。
この差は数ミリ秒ほどで、日常生活ではほとんど意味を持ちません。
しかし、遠い恒星系から地球まで光速に近い速度で往復するとなると、話は大きく変わります。
宇宙船の乗員にとっては短い旅でも、故郷の惑星では何十年、あるいは100年以上が過ぎている可能性があります。
地球を訪れた宇宙人は、帰るころには自分たちの時代から取り残された「時間の流刑者」になってしまうかもしれないのです。





























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