ネアンデルタール男性の骨盤は現代女性に近かった
ネアンデルタール人の骨盤は、以前から現代人とは少し違った形をしていることが知られていました。
そのため長年、「なぜネアンデルタール人は特殊な骨盤を持っていたのか」という方向から説明が試みられてきました。
そこで研究チームは、イスラエルのケバラ洞窟とスペインのシマ・デ・ロス・ウエソス遺跡から見つかった、ほぼ完全な男性の骨盤2点を現代人の骨盤と比較。
すると意外なことに、ネアンデルタール男性の骨盤は、多くの測定値や比率で現代男性より現代女性に近い特徴を示しました。
特に重要だったのが、太ももの骨がはまり込む「寛骨臼(かんこつきゅう)」、つまり股関節の位置です。
現代男性では寛骨臼が骨盤の前方に寄っています。
これに対して現代女性と男性ネアンデルタール人では、より後方に位置していました。
つまり、「ネアンデルタール人だけが変わっていた」と考える必要はありません。
むしろネアンデルタール人と現代女性が祖先的な配置を比較的保ち、現代男性だけが股関節を前方へ移動させる方向に進化した可能性があるのです。
ただし、これはネアンデルタール男性の骨盤全体が「女性そのもの」だったという意味ではありません。
今回の類似は、主として歩行の力学に関係すると考えられる特定の形態に見られたものです。

































