おへその匂いに、パーキンソン病や認知機能低下のサインが残っていた
おへその匂いに、パーキンソン病や認知機能低下のサインが残っていた / Credit:Canva
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おへその匂いに、パーキンソン病や認知機能低下のサインが残っていた

2026.09.27 19:30:29 Sunday

ドイツのフラウンホーファー集積回路研究所(IIS)などで行われた研究によって、おへその匂いから、健康な人のグループと、パーキンソン病・軽度認知障害・新型コロナの患者のグループを分けられることが明らかになりました。

病気を見つける手がかりといえば血液や画像ですが、体はそれとは別に、自分の状態を匂いの分子にして絶えず空気中へ流しています。

しかもその信号がはっきり残っていたのは、石けんや香水の手が届きにくい、鼻の入り口とおへそでした。

論文では、体は皮脂や汗から特定の匂いを発しており、それが早期診断の警告サインとして働くと記述されています。

なぜ、よりによっておへそだったのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月21日に『Scientific Reports』にて発表されました。

Detection of disease-associated VOC signatures with laser-based photoacoustic spectroscopy (LPAS) https://doi.org/10.1038/s41598-026-68298-9

病気と匂いには関連がある

病気と匂いには関連がある
病気と匂いには関連がある / Credit:Canva

にんにくを食べた翌日、息だけでなく汗まで匂う。

お酒を飲んだ翌朝、体じゅうが酒くさい。

体の中で起きたことが匂いになって外へ出てくるのは、誰もが知っていることです。

人間の体は、きちんと密閉された容器ではありません。

私たちは揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる、常温でも蒸発しやすい小さな分子を、絶えず放出しています。

これらは代謝の副産物で、汗、呼気、尿、唾液、皮脂など、さまざまな経路をたどって体の外へ出てきます。

食べたものや飲んだ薬でその組み合わせが変わるから、匂いも変わるのです。

だとすれば、代謝そのものを変えてしまう病気も、匂いに痕跡を残すはずです。

パーキンソン病には、よく知られた逸話があります。

ジョイ・ミルンという女性は、夫が診断を受ける何年も前から、夫の体からジャコウ(麝香)のような匂いがすることに気づいていました。

のちに彼女がこの病気の匂いを嗅ぎ分けられることが分かり、いまではパーキンソン病に特有の匂いのもとが、皮脂から探されています。

問題は、その匂いをどうやって機械で測るかです。

この分野の定番は、息でした。

呼気に含まれる匂いの分子を調べる研究は数多く、装置も整っています。

しかし呼気は、扱いが厄介でもあります。

運動、食事、服用している薬で中身が大きく揺れ、病気による違いがその揺れに埋もれてしまうからです。

かといって、皮膚をぬぐえばよいわけでもありません。

腕や首の皮膚は毎日石けんで洗われ、クリームや香水を塗られています。

そこで採れるのは、体の匂いと日用品の匂いが混ざったものです。

ここで浮かび上がるのが、外からの匂いが混ざりにくい場所です。

鼻の穴の入り口、耳の外側のくぼみ、そしておへそ。

この3か所は、腕や首にくらべれば、石けんや香水にさらされる機会がずっと少ないのです。

なかでもおへそは、体の匂いがたまる特別なくぼみです。

はがれ落ちた皮膚の細胞、皮脂、汗が少しずつ沈み、それを餌にする細菌が住みつきます。

毎日こすられる腕の皮膚が、しょっちゅう拭かれるテーブルだとすれば、おへそは動かさない家具の裏側です。

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