認知症になった人が多かった「歯ぐきのサイン」とは
認知症になった人が多かった「歯ぐきのサイン」とは / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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認知症になった人が多かった「歯ぐきのサイン」とは

2026.09.19 20:06:09 Saturday

歯医者さんで細い器具を歯ぐきにそっと当てられ、何やら数字を読み上げられるあの落ち着かない時間。

その歯ぐきの出血が、その後10年のあいだに認知症になるかどうかとつながっているかもしれない、という結果が日本の研究から出てきました。

九州大学の研究者が率いるチームが、認知症ではない60歳以上の日本人1396人を10年間追いかけたのです。

すると、歯ぐきから血が出やすい人ほど、のちに認知症になった人が多いことが分かりました。

歯と歯ぐきのすき間が深い人や、歯ぐきが下がっている人にも、同じような傾向がありました。

ただしこれは「つながりが見えた」という結果で、歯ぐきが原因で認知症になると確かめたわけではありません。

研究内容の詳細は2026年8月16日に『Journal of Clinical Periodontology』にて発表されました。

Common Gum Problem Is Linked to a 61% Higher Alzheimer's Risk (ScienceAlert) https://www.sciencealert.com/bleeding-gums-linked-to-61-higher-alzheimers-risk-in-10-year-study
Periodontal Status and the Risk of All‐Cause Dementia, Alzheimer's Disease and Vascular Dementia in a Community: The Hisayama Study https://doi.org/10.1111/jcpe.70185

歯ぐきから血が出やすい人に、認知症が多かった

歯ぐきから血が出やすい人に、認知症が多かった
歯ぐきから血が出やすい人に、認知症が多かった / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究の舞台は、日本のある地域の住民を長く見守ってきた「久山町研究」という調査です。

参加したのは、調べ始めた時点で認知症ではなかった60歳以上の1396人でした。

研究者たちは参加者の歯ぐきを調べ、そのあと10年間、認知症になるかどうかを見守りました。

10年のあいだに認知症になったのは267人です。

認知症にはいくつかのタイプがあり、そのうち194人は「アルツハイマー病」、51人は「血管性認知症」と呼ばれるタイプでした。

歯ぐきについて調べたのは3つです。

1つ目は、歯と歯ぐきのあいだにできるすき間(歯周ポケット)の深さ。

2つ目は、歯ぐきがどれだけ下がっているか。

3つ目は、細い器具で歯ぐきを探ったときに、血が出た場所の割合です。

それぞれの値がいちばん悪いグループと、いちばん良いグループを比べました。

すき間がいちばん深いグループは、いちばん浅いグループに比べて、認知症になる危険が1.72倍でした。

歯ぐきがいちばん下がっているグループは1.59倍、血がいちばん出やすいグループは1.56倍です。

さらに血の出やすさは、アルツハイマー病のなりやすさともつながっていました。

海外の科学ニュースサイト「サイエンスアラート」の記事によると、血がいちばん出やすいグループは、アルツハイマー病になる危険が61%高かったといいます。

ここで気をつけたいのが、この「61%」の読み方です。

これは「61%の確率でアルツハイマー病になる」という意味ではありません。

血がいちばん出にくいグループと比べて、なりやすさが6割ほど高かった、という「比べた数字」です。

それに、この研究は参加者の様子を観察しただけの調査です。

だから「歯ぐきが悪いと認知症になる」と、原因まで言いきることはできません。

対象も日本の60歳以上の人たちなので、若い人やほかの国の人に同じことが言えるかは、この研究だけでは分かりません。

それにしても、年月とともに変わっていく歯ぐきの状態を、研究者たちはどうやって認知症と結びつけて調べたのでしょうか?

そして、口の中の出来事が、なぜとつながるのでしょうか?

次ページ10年間、歯ぐきと認知症をどうやって見比べた?

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